全国協ニュース 第116号(2016年12月10日)

2016年12月10日 第116号

12・10常磐線開通阻止闘争‐12・16

動労総連合出向無効確認訴訟傍聴闘争へ

JR東日本が12月10日に強行しようとしている常磐線浜吉田―相馬間の開通は、来年3月までの政府の避難指示解除と被曝と帰還強制と一体である。労働者と乗客を放射能にさらし、命を踏みにじる殺人的暴挙である。動労水戸・動労総連合が12・10常磐線開通阻止闘争を呼びかけている。仙台、福島、東京で総力決起しよう。
2017年は国鉄分割・民営化から30年となる。全路線の半分を維持できないと発表したJR北海道、株上場の際に「鉄道事業の赤字の穴埋めは人員削減で」と宣言したJR九州をはじめ、分割・民営化体制は大破産している。動労千葉・動労水戸を先頭とする30年の闘いの勝利の上に、国鉄労働運動をめぐる大決戦に動労総連合の拡大をもって躍り込もう。動労東京建設と都労連の闘い、合同・一般労働組合全国協議会の組織建設の闘いは一体である。
JRは2008年に2020年の東京オリンピックに向けた12年計画を発表し、2016年も先月2020年下でのプランを発表した。
この経営構想は冒頭で、「東日本大震災を国鉄改革に次ぐ『第二の出発点』と位置づける」と叫んでいた。3・11大震災と原発事故をテコに、国鉄分割・民営化の時をも上回る労組破壊攻撃に突進するというのだ。その一切の前提は鉄道業務の全面的な外注化だ。「個々のグループ会社が役割・使命の達成に向け、自らの判断でその強みを最大限に発揮していく『水平分業』と、各社が連携し、グループ発展のために何ができるのかを常に考え行動する『全体最適』の2つの理念を徹底し、グループ価値の向上をめざします」「オペレーションにおける自由度の確保と責任の明確化を図るとともに、グループ共通の情報インフラの整備や積極的な人材交流により、一体感のあるグループ経営を推進します」
ここでは、「積極的な人材交流」という言葉に示されるように、強制出向が当然の前提にされている。これは転籍の強要に至る攻撃だ。しかも、外注化が偽装請負という不法行為を必ず伴うことも、「水平分業」「全体最適」と居直っている。外注化のターゲットにされているのは、2012年10月1日に強行実施できなかった機動班や構内計画などの検修業務とともに、駅業務だ。
経営構想は、「福島第一原子力発電所事故による警戒区域を含む、常磐線広野‐原ノ町間の復旧については、国が実施する除染作業の進捗状況、地域の皆さまの帰還状況などを勘案しながら検討を行う」と言う。
復興加速化本部の提言はまた、「住宅や学校など市街地にある黒いフレコンバッグの汚染土壌をできるだけ早く中間貯蔵施設に搬出」すれば「復興を実感でき」、東京オリンピックまでにそれが実現できれば「世界中の人たちが評価してくれる」「風評の払拭につながる」と述べている。「豊洲市場」同様、すべてカネと利権のためだ。フレコンバッグが見えなくなれば復興なのか!
被曝の影響はなくなるのか! 東京オリンピックという巨大利権のために震災・原発事故をなかったことにし、被災者・避難者を切り捨てることなど絶対に許してはならない。ふくしま合同労組、宮城連帯ユニオンの仲間と共に闘いぬこう!

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労働相談と職場の闘い(80)

広島連帯ユニオン草津病院支部

草津病院再雇用拒否事件、広島県労委が不当労働行為と認定

草津病院は真保支部書記長をただちに再雇用せよ!

去る11月29日に広島県労働委員会から、広島連帯ユニオン草津病院支部書記長・真保修一さんの定年再雇用拒否事件の命令が交付されました。人事考課(評価)制度による職場の分断と組合破壊の攻撃を打ち破る勝利をかちとりました。
今回の広島県労働委員会命令では、人事考課表の提出拒否(人事考課制度への非協力)の組合の闘争方針により、評価2段階引き下げ=D(最低)評価に降格されたこと、さらに2度にわたる就労規則不利益変更による一時金のカット・賃金切り下げという懲罰的な基本給引き下げの攻撃、そして定年時における再雇用拒否、という団結破壊・組合つぶしの構造全体が不当労働行為を構成していることを確認しました。県労委は真保さんの再雇用拒否が、不当な組合つぶしの解雇であると認定しました。であるならば、この確認に則って草津病院は解雇を撤回して継続雇用せよ!ということですが、広島県労委はこれは認めませんでした。
この命令によって、人事考課表提出拒否による評価の2段階引き下げ、賃金や一時金で過酷な不利益を組合員に与えて組合をつぶし、職場の団結を解体して職場支配を貫こうとした経営側の意図は、挫かれました。この勝利は、長年にわたる甚大な不利益に屈せず、組合の団結を守りきり闘い抜いている広島連帯ユニオン草津病院支部の闘いによって引き出されたものです。『闘いに勝つ道は、勝つまで闘うことだ』という民主労総の教訓が草津病院支部の闘いにおいても示されています。これは昨年の8・5~8・6ヒロシマの闘いと一体で解雇撤回を闘い、テグのソンソ工団労組との国際連帯そのものとして闘うことでもぎり取った地平です。
今回の県労委命令は、人事考課制度絶対反対の闘い(考課表提出拒否)に対する組合つぶしの評価引き下げ処分に対する労働委命令として、安倍の『働き方改革』、それと一体の小池都知事の都労連解体攻撃との闘いが自治体を先頭に4大産別で評価制度との闘いとして始まっている中での重要な勝利です。
10年を越える草津病院資本との闘いの中で、不当労働行為を労働委に認めさせたことは大きな一歩ですが、一方で、病院資本との関係では、再雇用を認めないという点で、国鉄1047名闘争での動労千葉6・30最高裁決定と同じものなのです。
県労委は、今回の命令の「理由」の部分で「正常な集団的労使関係秩序を構築、確保するという観点から、本件不当労働行為に関する法人の責任を明確にし、今後の労使関係の運営において考慮させるため」と述べています。県労委ですら、草津病院資本のやり方は「ブラックだ」と思っているのです。後は現場で、闘う労働組合が闘争によって決着をつけてやる!ということです。
今後、草津病院全体を対象にし、団交や職場での闘いー階級的労働運動の力ある前進を通して、組合の組織拡大を実現して経営側を追い詰めていきます。真保さんの再雇用=原職復帰をかちとろう!

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労働日誌 (11月27日~12月10日)

廃炉・賠償21・5兆円に倍増=福島原発事故で新試算

12月9日 時事通信

経済産業省は9日、有識者らで構成する「東京電力改革・1F(福島第1原発)問題委員会」(東電委員会)を開き、東電福島第1原発の廃炉や賠償などの事故対応費用が計21・5兆円になるとの新たな試算を示した。従来想定の約11兆円から2倍程度に膨らむ。4月の小売り全面自由化で参入した「新電力」にも負担を求める。
経産省は、東京電力ホールディングス(HD)改革の提言案の骨子も提示。原発や送配電に関し「他社と共同事業体設立」と明記し、再編・統合を通じた収益拡大を促した。2016年度末に予定していた「脱国有化」の判断は19年に先送りする方針を示した。
新試算では、廃炉費用が8兆円(従来2兆円)に拡大。賠償は7・9兆円(同5・4兆円)、除染が4兆円(同2・5兆円)、中間貯蔵施設が1・6兆円(同1・1兆円)に膨らむ。
廃炉費用は東電HDの利益で確保させ、積み立てさせる。東電HDが送配電事業で上げた利益は料金引き下げではなく廃炉に優先的に充てる。廃炉以外の費用は、交付国債による国の融資枠を現在の9兆円から13・5兆円に拡大して対応する。
東電HDの広瀬直己社長は衆院原子力問題調査特別委員会に出席し、廃炉について「時間がかかるが、できるだけ国民に迷惑を掛けないよう完遂していく」と述べた。
賠償費用の返済は、東電HDを含む大手電力が引き続き負担する。ただ、そのうち2・4兆円は過去の積み立て不足分と見なし、2400億円程度を送配電網の利用料金に上乗せする形で新電力にも負担を求める。新電力契約者の電気料金は一般標準家庭で月18円程度の値上げとなる。
提言内容は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構と東電HDが年明けにも策定する新たな再建計画に反映される見通し。
世耕弘成経済産業相は閣議後記者会見で、事故対応費用に関し、「当面、上振れすることはないが、今後予見できないことで状況変化はあり得る」と語った。

給付日数、解雇など拡充=自己都合は見送り―失業手当

12月8日 時事通信

雇用保険制度の見直し内容が8日、決まった。
うち失業手当の給付日数は、倒産・解雇で離職した人の一部や有期契約が更新されない雇い止めで離職した人を対象に拡充する。労働者側が強く求めた自己都合で離職した人の給付拡充は、使用者側がモラルハザード(倫理の欠如)を助長すると反対し、今回も見送られた。厚生労働省は法改正を経て2017年度に実施する。
倒産・解雇で離職した30~34歳(被保険者期間1年以上5年未満)と35~44歳(同)の給付日数は、受給期間中の就職率が低いため30~60日増やし、120~150日にする。雇い止め離職者の給付日数を倒産・解雇の離職者と同じ90~330日に拡充する暫定措置は21年度まで5年間延長する。

川崎鶴見臨港バスがスト突入、始発から運休

12月4日 産経新聞

川崎鶴見臨港バス(本社・川崎市)は4日、労働組合のストライキにより、全37路線のうち、市内の路線バスなど計36路線が始発から運休していると発表した。横浜市内と羽田空港を結ぶ便もあり、終日続けば最大で4148便が運休し、約10万人に影響が出る見通し。
同社によると、横浜市鶴見区を走る鶴見駅東口-江ケ崎の路線のみ通常通り運行している。同社でのストライキは昭和55年4月以来。

過重労働認定、労基署処分を国の労保審査会が覆す

11月29日 産経新聞

NPO法人ひょうご労働安全衛生センター(神戸市)は29日、大阪市内のIT関連会社に勤務し、急性大動脈解離を発症した兵庫県西宮市内の男性(42)について、国の労働保険審査会が大阪中央労働基準監督署の処分を覆し、病気と長時間労働の関連性を認めて労災認定したと発表した。
同センターによると、男性は平成26年2月、自宅で倒れて救急搬送された。急性大動脈解離と診断され、手術して一命を取り留めたが、障害が残ったという。男性は発症前、仕事を自宅に持ち帰るなどし、睡眠時間は一日3~4時間だった。しかし、労働基準法36条に基づく時間外労働の労使協定の上限である月51時間を超えないよう労働時間を過少申告していた。
男性はその後、同労基署に労災を請求したが、「仕事と発症の関連性は低い」と認められず、大阪労働者災害補償保険審査官に不服申し立てを行ったが棄却。国の審査会での再審査で、男性の出退勤の端末記録で時間外労働が92時間に及び、自宅での業務も「負荷の要因の一つ」と判断し「過重労働により病気を発症した」と労災認定したという。

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介護職員処遇改善加算に人事評価制度を導入

厚生労働省社保審―介護給付分科会(第132回)

厚生労働省の社保審―介護給付分科会(第132回 2016年11月16日開催)において、介護職員処遇改善加算に関連して、評価制度を導入することが検討されている。
この分科会に提出された「資料1」にその内容が書かれていた。「論点1」として言われているのが介護人材の処遇改善のために2017年度から月1万円相当の手当を加算するにあたってどのような方法があるかということが提案されている。赤字で書かれている新たな提案は「経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること(就業規則等の明確な書面での整備・全ての介護職員への周知を含む)」という案である。
現行の加算の仕組みはどのような場合に昇給するのか必ずしも明確でないので、来年度の新加算から①~③のいずれかに応じた昇給の仕組みをこうけることを新たな要件とするというのである。①は勤続年数、②は資格であり、③が評価である。評価は実技試験、人事評価などを想定し、客観的な採点基準や昇給条件が明文化することを要するとあるが、客観的な人事評価などあり得ない。
いずれにしても1万円の処遇改善を行うために①~③のいずれかの要件が必要であるとか、特に人事評価制度を導入するというのは介護の職場に分断を持ち込むことにしかならない。
特に「今後の介護人材の処遇改善について」は安倍の「ニッポン一億総活躍プラン」(6・2閣議決定)の目玉の一つとして掲げられたものだ。他の対人サービス産業と比べて賃金が低く、勤続年数も短いから「2017年度からキャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の処遇改善を行う」というのである。
参考資料で出されているデータによれば、産業計の平均年齢が41・6歳。勤続年数10・6年、賞与込み給与は月額36万2300円のところ、介護職員は平均年齢40・3歳、勤続年数6・1年、賞与込みの賃金は月額26万2300円となっている。
2020年代初頭に向けて利用者12万人分の基盤整備に伴い約5万人の介護人材と、必要となる介護人材は約20万人で、合計約25万人の介護人材が必要になるが見通しは立っていない。
介護福祉士の離職の原因は複数回答方式のパーセントであるが、「法人・事業所の理念や運営の在り方に問題があった」(25%)、「職場の人間関係に問題があった」(24・7%)「収入が少なかった」(23・5%)である。
これに対する解決案が「雇用管理改善に取り組む事業者のコンテスト・表彰や認証・評価制度の推進」となっているが、逆効果であることは明らかだ。闘う労働組合を組織して介護労働者の労働条件を守り、権利を確立することなしに人材確保はあり得ない。