郵政非正規ユニオン、東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てる!

「郵政非正規ユニオン」は7月4日、午前9時過ぎに東京都労働委員会に不当労働行為の救済申し立てを行った。被申立人は郵便事業会社・取締役社長鍋倉である。申し立ては委員長を先頭に、三役、3名の執行委員と特別執行員=全国協事務局長も同行して行われた。労働委員会からは2名の事務局が応対した。「不当労働行為救済申立書」の核心点は以下の通り。

被申立人の行為は、次のとおり労働組合法第7条第1号、同2号、同3号に該当する不当労働行為であるので、審査の上、下記の救済命令を発するよう申し立てます。

Ⅱ 請求する救済の内容

1、被申立人は組合員○○○○、○○○○、○○○○、○○○○、○○○○、○○○○、○○○○、○○○○らに対する2011年5月26~28日に渡辺福課長から手渡された2011年6月30日を持って雇い止めするという「雇い止め予告通知書」を取り消し、同人らを原職に復職させ、雇い止め日の翌日の7月1日から復帰までの賃金相当額を支払わなければならない。
2、被申立人は、申立て組合が2011年6月13日付で申し入れた『要求書』についての団体交渉を『繁忙期』を理由に、遅延させたり、拒否してはならない。
3、被申立人は、その管理職らをして行った申立て人組合の活動に対する妨害・分裂策動を行ってはならない。

不当労働行為を構成する具体的事実(抄録)

1、6月10日に郵政非正規ユニオンの結成大会を行い、13日に組合の結成宣言、要求書、団体交渉の申し入れ書を被申立人に提出し、17日までに要求書に対する文書による回答を求めました。17日までに文書による回答は行われず、23日になって一方的に申立人組合を無視した形で個人に対し、郵送、または仕事時間中に『雇い止め理由書』なる文書が渡されました。これは団体交渉を要求している組合を無視して行われた、組合からの脱退工作を含んだ支配介入であり、不当労働行為7条3号違反に該当すると思います。団体交渉は27日15時より行われることになりますが、団体交渉の日時を引きのばしておいて、脱退工作を行ったということです。
2、第1回団体交渉の終わった二日後、被申立人会社ゆうパック課の職制が雇い止め通告を受けた15名と同時期の昨年7月に採用されて、今回雇い止め通告を受けなかったAさんという人に対して「8月に再雇用するから一旦6月末日で退職してくれ」と依頼していたことが発覚しました。AさんはJP労組組合員であり、現在判明しているところでは彼だけが今回雇い止めの対象になりませんでした。団体交渉の場で業務企画室長の中川陽二氏は同時期に採用され、雇い止めにならなかった人がいることは認めましたが人数については掌握していないと言いましたが、雇い止めになった人とならなかった人がいることの不自然さについて言及されたことに直反応して、こういう依頼をAさんに行ったものと思われます。しかしこれは15名の雇い止めの不自然さを暴露するようなものでしかありません。JP労組の加盟者1名だけが雇い止めの対象にならないのならこれは組合差別であり、7条1号違反の不当労働行為です。
3、被申立人は①労働組合の組合員であること②組合に加入したり組合を結成しようとしたこと③労働組合の正当な行為をしたことを理由に①解雇②その他不利益な扱いをしたわけではない、と主張するでしょう。しかし、郵便事業会社の非常勤職員は3ヶ月の有期雇用契約がほとんどであり、全国で16万人に及びます。
3ヶ月単位の有期雇用契約は労働組合の団結権そのものを否定する雇用形態です。3ヶ月契約の有期雇用の労働者が労働組合を組織する権利があるか否かが問われています。被申立人は労働組合結成の動きを事前に察知しながらも平然と15名の雇い止め通告を強行し、それを撤回しようとしていません。3ヶ月の有期労働契約を前提にした雇い止め解雇はその雇用形態そのものが労働組合法の精神を真っ向から否定する不当労働行為であり、今回雇い止め解雇は7条1号違反です。
4、6月23日に被申立人が出してきた文書の雇い止めの理由は『郵便事業会社が赤字だから』という理由のみです。27日の団体交渉の場でも理由についてはそれしか言いませんでした。しかしながら、「1034億円と言われる赤字は郵便事業会社全体のものであり、東京多摩支店においては黒字だったのではないか」と申立人側が問うと、「3月決算では黒だった」と中川業務企画室課長が答えました。何故郵便事業全体の赤字が理由で東京多摩支店の15名が雇い止めになるのか何ら理由は示されませんでした。本年2月17日に広島高等裁判所岡山支部第2部で言い渡された雇い止め解雇を争う判決は『控訴人ら期間雇用社員らにおいて、契約更新について合理的期待を有することを考慮すれば、上記本文の規定を持って、更新の可否について被控訴人が自由裁量を有すると解するべきでなく、但し書きの要件を満たさない限り、雇い止めをしても無効であって、雇用契約は更新されるものと解すべきである』(同判決17頁)と雇い止め解雇無効の判決を下しました。この判決の核心は雇い止めの場合も整理解雇の4要件に踏まえなければならないということであり、そうでなければ労働契約法第16条の解雇権濫用の法理の類推適用を受けるということです。例えば今回雇い止め通告を受けた○○○○の場合、昨年の7月13日に3ヶ月契約で雇用されましたが、9月、12月は契約の更新すら行われず、自動更新が繰り返されてきたのです。3月になってはじめて6月に雇い止めがあるかも知れないかのような不明瞭な通告があったのみです。しかも5月に6月30日をもって雇い止めするという通告がなされた後で被申立人により、次の労働契約段階で必要な身分証明書の写真を撮られています。前者は「黙示の更新」であり、2回も自動更新がなされれば期限の定めのない労働者と同じ扱いをしなければならない雇用関係です。後者の事実は「雇用継続の期待を持たせる言動・制度」そのものです。「黙示の更新」については副委員長の○○、会計の○○も同様です。よって雇い止めにはしかるべき整理解雇4要件の内容が明示されなければなりませんが27日の団体交渉で明らかになった事実は15名の雇い止めを行いながら64名を新規に採用しているということです。3週間のアルバイトですが、ベテランの労働者を15名雇い止めにして64名を新たに雇い入れる事実は雇い止め解雇が必要不可避なのではなく、7条1号に該当する労働組合つぶしにあることは明白です。
5、6月27日に第1回団体交渉が開催されたものの、引き伸ばしてその間に脱退工作を行うというものであり、繁忙を理由に7月末まで団体交渉を行えないと言いながら前記2のような裏工作を行うのは正当な理由なく団体交渉を拒む7条2号違反に当たると思います。さらに「黙示の更新」の具体例を持ちだした際、業務企画室長の中川氏と普通郵便課長・渋谷文彦氏は「本年4月に着任したばかりなのでそれ以前のことは分からない」と答えました。団体交渉の冒頭申立人委員長から「あなたの言葉は支店長の言葉と理解して良いのですね」と問い「そうです」と答えておきながら事情もよくわからない新任の課長を団体交渉の責任者にして、団体交渉の内容も申立人の側からの質問等にまともに答えられない、または答えない不誠実な団体交渉に終始したのは7条2号違反であると考えます。
2011年7月4日

申立人 郵政非正規ユニオン
執行委員長 ○○○○

東京都労働員会 会長 永井紀昭 殿