労働相談Q&Aの開設の挨拶と「Q&A(1)」の掲載です!

 今号から、「労働相談Q&A」を開設しました。開設の意図は、全国のユニオンの労働相談を寄せていただいて、お互いが教訓にして一緒に闘いを進めていきたいということです。従って、勝利したという事例だけを載せていこうというつもりはありません。むしろ、「苦戦」しているのが実際であり、そのなかにこそ「教訓」は存在していると思うのです。全国の「教訓」をこのコーナーに載せることで、皆で討議し一つ一つの「教訓」を大事にしていきたい、という思いです。

 ちなみに、「Q&A」の意図は、文字通りの「質問と回答」ということではなく、各ユニオンが一つの労働相談について、どうやって取り組もうとしているのか、どういう討議がされたのか、そこでの試行錯誤とか・・・を考えていますが、どうでしょうか。誰でも、最初から労働運動をできる人はいません。皆で一歩一歩学びながら進んでいければと考えています。

 したがって、このコーナーに労働相談の事例や意見や経験等を寄せて頂けないでしょうか。すぐに、コーナーで取り上げられなくともいいと思うし、必要な事例等については、全国にメールをまわして意見交換をすることもできます。少し、長い訴えになってしまいましたが、率直な思いを述べました。全国協をつくっていくのは、皆さんです。よろしくお願いします。

 労働相談Q&A(1)を掲載します。

 ●自治体職場5年有期雇用の雇い止め解雇を撤回

 ●「使用者の安全配慮義務」を徹底追求

 湘北合同労組が結成されたのは2011年5月末ですが、それから間もなくしてある労働相談がありました。ある自治体職場で働くB合同労組組合員が同じ職場の有期雇用のAさんが悩んでいるので相談にのってほしいとのことでした。

  期限のない雇用契約を
 Aさんの悩みは「5年有期雇用契約なので四年後には雇止めになってしまう。期限のない雇用契約にしてほしい」という将来への雇用不安と、「超過時間外労働を出勤時間で調整させられているのはおかしい」「超過時間中に労働災害になったら認めさせたい」「今の仕事に誇りをもって頑張っているのにこんな働かせ方には納得できない」というものでした。
 有期雇用という働かせ方をやめさせる運動を一緒に作っていこうということになり、合同労組に加入してもらいました。
 執行委員会では、非正規職撤廃=正規職化の闘いをどのように取り組むか議論しました。今後の方針として、①B組合員は正規職の労働組合である自治労の問題として分会、支部に非正規職撤廃に向けた運動を作っていく。②過重労働と安全の問題を分会の中で取り上げていく、ことにしました。

  「安全配慮義務」の履行を
 数か月後に事件が起きます。
 Aさんは市内の同職種の非常勤労働者と共に市に対し「勤務条件の改善に関する要望書」(処遇、時間外手当、人員配置、正規職に準じた保障)をだしたことによりメンタル検診が実施されたのですが、その結果を上司に報告し「配慮」を求めたところ、「サポートする余力がない」と一喝され、「健康問題や人間関係で精神的に辛いなら…。普通は安全配慮義務があるが、(非正規である)あなたに辞めてもらう。更新しない」と非正規職のAさんを辞めさせることで問題を解決しようとしたのでした(正月明け)。
 このことを聞いた組合は、緊急対策会議を開き、基本方針として、B組合員の所属する分会の問題として取り組む。その上で、①市職の分会役員とAさんとの話し合いの場をつくり、分会として雇止めを認めない、安全配慮義務の履行を求める。②Aさんの問題をAさん、分会役員、課長、係長の四者で話合いをする。③分会は本局課長に対して本人への謝罪と継続雇用の意志を正確に伝える。ということでした。
 最も重視したのは分会としての取組みでした。それから五日後の分会役員とAさんとの話し合いに六人が参加し「時間外が多くて大変ね。泣き寝入りはしないでね。私たちにできることは」などの励ましの意見が出され、非正規職の問題を自分たちの問題として取り組む連帯が生まれたのでした。

  雇い止めを撤回させた力
 この四つの方針をやりきった二日後に本庁課長から「次年度は更新する方向で検討している」との電話がありました。それでも安心できず、一月末の来年度の辞令の確認まで闘争態勢を堅持しました。
 雇止めを撤回させた力は、①分会の取組みにこだわったこと、②当局の弱点である「使用者の安全配慮義務」を徹底追及したこと、③一人の組合員の問題を合同労組全体が励まし支えたことでした。月一回行っている全体集会は、ワイワイガヤガヤの討論ですが、仲間との団結に希望があることを実感するものになっていったと思います。         (湘北合同労組T)