3月18日毎日新聞夕刊の記事を掲載します。非正規労働者がスト突入。東京メトロ駅売店の販売員6人。定年制廃止求め。

 3月18日、毎日新聞夕刊記事です。

  かつ<スト>非正規労働者が突入 東京メトロ駅売店の販売員6人ては春の風物詩だった春闘のストライキも今ではすっかり影を潜めた。そんな中、地下鉄の売店で働く非正規労働者の労働組合が、定年制廃止を求めて18日早朝からストに突入した。労働者に占める割合が35%を超えた「非正規」だが、ストに踏み切るケースは極めて珍しい。決起の背景を探ると、非正規ならではの厳しい事情が浮かんでくる。

 ストに入ったのは、東京メトロの駅売店で働く50~60代の女性販売員6人。100%子会社のメトロコマースの労働者で作る全国一般東京東部労組メトロコマース支部(2009年3月結成)の組合員だ。契約更新を重ねて7年以上働いており、正社員と同じ仕事をしているのに労働条件は大きく違う。これまでの取り組みで、時給の毎年10円アップや忌引を有給休暇とする制度を認めさせてきた。

 それでも、週6日フルに働いて手取り月額13万円前後。貯蓄は難しく、ほとんどの人は将来、年金でも生活を賄えない。何年働いても退職金も出ない。65歳を過ぎても健康で働く意欲がある人の契約延長を求め、昨年、組合員の1人が労働条件を切り下げた上で計1年間の契約を結んだが、制度化には至っていない。

 ストに踏み切ったのは、制度化を求める団交で会社側が「正社員の定年に従ってもらう」と主張し、結論が出なかったからだ。後呂(うしろ)良子委員長は「正社員と同じ仕事をしているのに老後の生活のめどはない。それで『定年だけは同じ』では納得できない。6人のストだが、声を上げなければいけないと思った」と話している。

 ストは1960~70年代、春闘が定着する中で増加。厚生労働省の調査によると、74年には半日以上のストライキが5197件(参加人員362万人)に上った。その後、労使の対立構図が薄れたことなどで減少に転じ、11年は28件(参加人員1674人)にまで減った。【東海林智】