5月30日東京新聞の記事を掲載します。働く不満ネットで連帯? すき家店員にスト呼びかけ拡散 「労組未加入 若手の抗議」

東京新聞(5月30日朝刊)に、次の記事が載っています。全国協傘下の千葉合同労組・委員長のすき家スト決起が中心になっています。

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 二十九日は「ニク」の日だとして、牛丼チェーン店「すき家」のアルバイト店員らに「ストライキをしよう」という呼び掛けがインターネット上のツイッターなどで広がった。ストによる閉店は確認されていないが、すき家は今春、アルバイトが大量退職するなど労働環境の厳しさが表面化。ネット発の動きに労組関係者らから戸惑いの声が上がる一方、新たな形のつながり方に注目も集まる。 (加藤裕治、小林由比)

 二十九日朝、千葉県船橋市の駅前で、ちば合同労組の組合員が「スト決行中」の横断幕を掲げた。諸町三夫(もろまちみつお)委員長は、すき家を展開するゼンショーホールディングス(HD)のグループ会社のアルバイト。ネット上でのストの呼び掛けに歩調を合わせた。参加者の一人は「すき家はアルバイトを極限まで働かせる」と話した。

 ストの呼び掛けは五月下旬、ツイッターなどで広がった。呼び掛け人ははっきりせず、具体的な要求も掲げていない。参加するかどうかも個々の判断。影響が予想できないまま、二十九日を迎えた。ゼンショーHDの広報担当者は「ストでの閉店は一店もない。二十九日未明に二店が一時、閉店したが、人手不足の影響だった」と説明する。確かに都心部では閉店していた店は見つからなかった。

 しかし、労働環境への不満は強い。神奈川県の店で働く四十代のアルバイト女性は深夜の一人勤務体制を批判。「二人ならなんなくこなせるのに、一人だと手が回らない。強盗も怖い。店も仕事も好きだが、改善しない会社は好きになれない」

 三月ごろには、アルバイトの退職が相次ぎ、人手不足などで今も百四十五店を閉鎖している。広報担当者は「従業員の不満を拾い切れていなかった。改善に取り組んでいる」と話す。

 ストライキは憲法や労働組合法などで認められた労働者の権利だが、会社側への事前通告などの手続きが必要だ。すき家の労組の一つはホームページ上で「違法なストはやめましょう」と呼び掛けた。すき家のアルバイトも加盟する首都圏青年ユニオンの武田敦委員長は「個々の労働者の主張は応援したいが、労組で戦術として行うストライキと本質が違う」と静観した。

 一方、ITジャーナリストの佐々木俊尚さんは「自律的な動きで興味深い。労組に入っていない二十代、三十代の若者の声はすくい上げられておらず、ひどい目にあっていることを知ってくれという抗議活動だ。こうした動きは、今後も起きるだろう」と予測する。

 <すき家> ゼンショーホールディングスが展開する牛丼チェーン店。4月末時点で全国に1985店あり、店舗数は日本一とされる。1人勤務になる深夜に強盗被害が相次ぎ、警察庁は2011年10月、防犯体制の強化を求めた。すき家側は複数勤務などの対策を取る方針だが人手不足で完全実施に至っていないという。