「新採教員不当解雇をめざす会」結成!
免職処分撤回で断固闘う!
一般合同労組さいたまユニオン 田畑典保
9月20日、今年3月末をもって不当な免職処分をうけた新採教員Sさんの解雇撤回を求める闘いを共に闘い支援する「新採教員不当解雇撤回をめざす会」が、50名近くの教員や支援者が結集して結成された。
S組合員は、昨年4月に埼玉県内の市立中学校に英語教員として採用されたが、この3月末に埼玉県教育委員会により不当にも免職処分が行われた。今年8月1日に、弁護団・支援者とともにさいたま地裁に免職処分の撤回をもとめる提訴と記者会見を行い、第一回裁判が10月17日に設定されたなかで、本格的な闘争態勢構築のために会を結成した。
教員免許の取り上げを撤回させる
冒頭、8月1日の提訴と記者会見記録を上映。続いて呼びかけ人代表として埼玉高教組二田譲さんが主催者挨拶。三浦半島教組の二本柳実さんが連帯の挨拶を行った。
基調提起では、教育公務員のみが最初の1年間が条件付き採用となっているなかで、新採教員がまったく身分保障のない首切り自由の存在にされており、それが安倍の教育改革攻撃の一環として、評価制度、不適格教員の排除、免許更新制攻撃と一体でなされていることを指摘。Sさんの場合も、2学期からあたかも狙い定めたように、「教員に向いてない」「早く辞めろ」と指導教官からパワハラが繰り返され、2学期末には教育委員会から「採用されないと思え」と通告された。さらに家族を騙して呼び出し「辞めるように勧めて」と退職を強要されたのである。
本年2月にSさんはユニオンに加盟し退職強要に屈することなく本採用するよう県教委、市教委と交渉したが、教育委員会は3月末免職処分を強行し、さらに4月1日には、なんと免許状の取上げさえ通告してきた。免許取上げに対する激しい抗議の末、ついには免許取上げ撤回の勝利を勝ち取った。
Sさんが「絶対に復職したい」と決意表明
集会では、県内他市でも全く同じ状況で自主退職に追い込まれた事例が報告された。もはや、新採教員に能力があったか否かではなく、教員統制のために、意図的計画的に一定数の新採教員を退職に追い込んでいるのだ。安倍の7・1閣議決定による戦争攻撃と一体で、労働者の団結を解体する以外に戦争はできない。だからこそ新採教員を毎年、全国で300人以上も退職に追いやる攻撃が繰り返されているのだ。教育が変質させられたとき、戦争は繰り返される。2006年からの「条件付き採用制度の厳格な運用」の実態はこれだ。
そして、原告のS組合員からしっかりとした口調で闘いの決意が表明された。「全国で退職に追い込まれ苦しんでいる仲間がいる。自分の闘いがその仲間へのエールになればと思うので、絶対に勝ちたい」と述べた。加須市職員組合の堀江淳一さんから、「めざす会」への規約確認、入会と裁判傍聴の訴えがなされ、「めざす会」結成が拍手をもって確認された。
懇親会では、首都圏で同じような仕打ちにあっている新採教員からの訴えがあり、ますますS組合員の闘いが一人だけの闘いではなく、労働者全体の闘いであることが浮き彫りになった。こうして、新採教員不当解雇撤回闘争は本格的に開始された。
第一回裁判は10月17日(金)午後1時10分さいたま地裁にて開始される。傍聴闘争への参加を御願いします。JR浦和駅西口徒歩10分