全国協ニュース 第98号

全国協ニュース 第98号 2016年2月20日

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「暴力行為等の処罰に関する法律違反」を理由にした関西合同労組に対する不当弾圧弾劾 !

合同・一般労働組合全国協議会

2名の仲間を2月18日奪還!

この弾圧は伊勢志摩サミット、3月7日から開始される米韓合同演習―5015作戦計画―朝鮮侵略戦争を前にした前代未聞の戦時型弾圧・労働組合壊滅攻撃だった。しかし、検事拘留を許さず、直ちに奪還したことは偉大な勝利である。しかし、焦りに駆られて弾圧に乗り出した公安警察を絶対に許さない。サトイ金属資本を許さない。解雇撤回の闘いで、必ず責任を取らせる!
2016年版経労委報告は「解雇された従業員が、企業の枠を超えて個人で加入できる『合同労組』に事後加入し、当該労働組合からの団交申し入れを企業側が拒否した結果、労働委員会へ不当労働行為の救済申立てがなされるケースが目立つ」(54頁)と合同労組の闘いに初めて言及し、危機感を露にしていた。今回の関西合同労組に対する弾圧は日帝中枢の強力な意思が働いていたとみるべきである。しかし我々はその弾圧を打ち破ったのだ!
許しがたいのは団交に出席していた組合員に呼び出し状が出され、携帯電話が押収されていることだ。家宅捜索ではサトイ金属関係のビラ、団交要求書、団交記録、団交の音声データなどが丸ごと押収され、関合労大会の議案書、組合規約、組合財政帳簿なども押収されている。
「暴力行為等処罰に関する法律」(暴処法)は、1926年3月9日、当時の第51回帝国議会に政府提案され、同年4月10日制定公布、同月30日より施行された。大正時代の悪法で今も残っているのは「暴力行為等処罰に関する法律」と爆発物取締罰則以外にない。
暴処法は1926年4月の制定・施行から、直ちに労働運動・農民運動・水平社の運動に適用されていった。暴処法の特徴は刑法の暴行罪では成立しない罪を着せることが可能になる。刑法では個々の行為者の特定が必要であり、行為を個別的に評価しなければならないが、暴処法は個々の行為や行為者を特定せずに、現場にいる者全員を逮捕しうる。「団体交渉で大声を出したのが脅迫だ」として集団を罪に問えるのが暴処法だ。共謀共同正犯論を用いれば、現場にいない労働組合の指導者の逮捕も可能となる。すると、その時点での運動抑圧が容易になるだけでなく、指導者のねらいうちによって「組織破壊」をねらうことも可能になる。非親告罪であるから権力が独自の判断で踏み込むことが可能だ。
暴処法の脅迫罪による逮捕や起訴を認めることは、事実上団体交渉権等そのものを否定することになる危険が大きいと制定時から問題になっていた。それが法律の施行から90年を経て今発動されたのだ。
このような弾圧を許せば労働組合運動そのものが成り立たない。団体交渉が脅迫罪で弾圧の対象となる。全国協はこのような不当な弾圧を絶対に許さない。釈放したからと言ってすまされる問題ではない。公安警察・資本を徹底的に弾劾し必ず責任を取らせる。
2016年2月18日
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労働相談と職場の闘い(62)

東京東部ユニオン吉崎製作所分会

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吉崎ー山下を貫く労働者階級の反乱を作り出そう

2月11日、千葉県白井市にある吉崎製作所白井第1工場・第2工場前で「会社解散」撤回を求める社前集会を行いました。首都圏の合同労組、動労総連合の皆さんに結集していただき、大変ありがとうございました。
正午から第1工場前で社前アピール。組合員が勢揃いして、作業場から食堂に向かう労働者に「一緒に会社解散撤回で闘おう!」と訴えました。続いて第2工場前に移動して、非組の仲間も合流してアピールを行いました。第2工場の事務室には社長もいたようで、組合員の発言に窓を開けて聞き耳を立てていたようです。
会社は解散の延期を通告して、「解散時期は未定」としていますが、いまだに「解散撤回」とは言っていません。100%山下ゴム資本が出資する連結子会社であり、製品もほぼ全量が山下ゴムに納品されているのですから、山下ゴムの意向しだいで解散撤回は可能です。たとえ吉崎製作所が「赤字」だとしても、買収した以上、山下ゴムには雇用責任があります。会社の都合で労働者を勝手にクビにすることは絶対に許しません。
現在、吉崎製作所には山下ゴムの埼玉工場・三重工場から10数人の労働者が「応援」に来ています。当初、山下ゴムは吉崎の労働者を追い出して「血の入れ替え」を目論んでいたようですが、そう簡単に技術の移転はできず、労働組合の抵抗もあり、偽装解散は頓挫せさるを得なくなりました。事業継続となった場合、山下応援組は本体に帰れる保証はなく、「転籍」問題が生じます。彼らも、この先どうなるのか「動揺」しているはずで、今後も「組合と一緒に闘おう!」と訴えかけていきたいと思います。

16春闘かくたたかう!

会社解散撤回を求める以上、16春闘は原則的に闘いたいと思います。「解散」「赤字」は会社の都合であり、そのことで労働者が要求を値引きする必要はありません。また現在、吉崎組と山下組が一緒に働いている状態で、労働条件が違います。同じ仕事をしているのに、なぜ労働条件が違うのか。自分の仕事は特別だと思うところから分断が始まります。「労働条件をより良い方に合わせろ」と要求していくことが、階級的利害を貫くことになると思います。
会社解散攻撃で多くの仲間が、やむなく会社を辞めていきました。その悔しさをバネにして、会社解散撤回闘争と16春闘を通して、なんとしても組織拡大を勝ち取っていきたいと思います。

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労働日誌 (2月6日~2月19日)

物価変動反映した実質賃金、4年連続のマイナス

2月8日 読売新聞

厚生労働省は8日、賃金や雇用の状況を調べた毎月勤労統計調査の2015年の結果(速報)を発表した。
労働者1人当たりの平均賃金を示す「現金給与総額」は月平均で前年比0・1%増の31万3856円となり、2年連続でプラスとなった。2年連続のプラスは05、06年以来。現金給与総額に物価変動を反映した実質賃金は同0・9%減で、4年連続のマイナスとなった。
現金給与総額を就業形態別に見ると、正社員などの一般労働者は春闘のベースアップにより、前年比0・4%増で3年連続のプラスとなった。
パート労働者は、統計を取り始めた1993年以降で時給が最高の1069円(前年比15円増)を記録し、同0・5%増で2年連続のプラスだった。

〈同一労働同一賃金〉法制化へ 差別的待遇禁止、全非正規に

2月12日 毎日新聞

政府は正規・非正規に関わらず同じ職務の労働者に同じ賃金を支払う「同一労働同一賃金」を法制化する
方針を固めた。パートタイム労働者と正社員の差別的待遇を禁じた改正パートタイム労働法(昨年4月施行)の規定を派遣労働者らにも広げる。5月に策定する「ニッポン1億総活躍プラン」に方向性を盛り込み、厚生労働省の労働政策審議会を経て、早ければ来年の通常国会に提出する方針だ。
同一労働同一賃金を巡っては、昨年の通常国会で自民、公明、維新(当時)3党の賛成で成立した「同一労働同一賃金推進法」で、派遣労働者の待遇について「3年以内に法制上の措置などを講じる」と定めた。厚労省は当初、政省令での対応を検討したが、安倍晋三首相は「必要であれば法律を作る」と発言するなど法制化に強い意欲を示しており、方針を転換した。
法制化では改正パート労働法の規定を他の非正規労働者に拡大する。同法が適用されない派遣労働者や契約社員らを含む非正規全体を対象にした新法も検討しているが、パート労働法や労働者派遣法の改正にとどまる可能性もある。
パート労働法は、職務内容や責任の重さに著しい差がないことに加え、転勤や配置転換の有無、異動範囲など、「人材の活用」が同程度である非正規労働者は、正社員と賃金に差を付けない均等待遇を求めている。
だが、この人材活用規定がハードルとなり、パート労働者約940万人のうち同一賃金が実現しているとされるのはわずか約32万人にとどまっている。
新法制にも人材活用規定が盛り込まれれば格差是正の実効性が低くなるため、政府内では非正規労働者の仕事の習熟度や技能などを評価する「熟練度」といった基準を新たに設けることが検討されている。
また、正規・非正規の賃金差の合理的理由について、企業側に説明責任を課すことも検討。「合理性」を判断するのは裁判所になるため、判決が蓄積されるまでルール化は難しそうだ。
労働関係の法整備には労使の代表を含む労政審での議論が必要で、非正規労働者の賃上げによるコスト増を懸念する経営側の反発が予想される。一方、労働側も非正規労働者に合わせて正規社員の賃金水準が低下することを警戒している。両者が折り合うのは難しく、非正規の賃金引き上げの実現は不透明だ。
首相は夏の参院選でアベノミクスをアピールするため、非正規労働者の賃金引き上げに意欲をみせる。しかし、厚労省内では「首相の意気込みは強いが、実効性あるものにするのは難しい」(幹部)との指摘も出ている。

〈GDPマイナス〉個人消費の不振、顕著

2月15日 毎日新聞

2015年10~12月期の国内総生産(GDP)は個人消費の不振が響くなど、2四半期ぶりのマイナス成長になり、景気のけん引役不在が改めて浮き彫りになった。足元では世界的な金融市場の混乱の渦中にあり、日本経済は大きな試練に立たされている。
個人消費の落ち込みは、暖冬による冬物衣料などの不振もあるが、賃金の伸び悩みの影響が大きい。物価変動の影響を除いた実質賃金は15年通年で前年比0・9%減。10~12月期も横ばいだった。円安などを背景に企業業績は好調だが、賃金の上昇を通じて消費を拡大するという、安倍晋三政権が目指す「経済の好循環」の実現は遠いのが実情だ。
設備投資は2期連続で増加したものの、中国の減速など世界経済の変調は、日本企業の業績にも影を落とし始めている。SMBC日興証券のまとめでは、東証1部上場企業の15年4~12月期の最終利益は前年同期比5・8%増だが、10~12月期に限ると9・8%減と急激に収益が悪化。企業の投資意欲が下押しされる恐れがある。
また、年初からの世界的な金融市場の動揺はいまだ収まっていない。日銀はマイナス金利の導入を決定し、動揺を鎮めようとしたものの、株価の下落や円高の進行に歯止めをかけることはできなかった。15日の東京株式市場は、前週末の欧米市場の株価上昇を好感して大幅に反発したものの、春節の休場明けの同日の中国・上海市場は大幅に下落して取引が始まるなど、不安定な市場の動きは解消されていない。
世界経済の減速懸念や金融市場の動揺に対して、政府や日銀の打つ手は限られており、市場では、先行きの景気も「当面は緩やかな回復にとどまる」(斎藤太郎・ニッセイ基礎研究所経済調査室長)との見方が大勢だ。

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改憲・戦争と労働法制改悪を許すな!

合同・一般労働組合全国協議会事務局長 小泉義秀

ナチスの授権法と同じ自民党改憲案!

昨年9月に派遣法が改悪され、これから労働法制の全面改悪攻撃がかけられようとしています。派遣法の成立は1985年であり、施行が86年。まさに国鉄分割・民営化攻撃と一体で派遣法改悪の歴史がありました。改悪派遣法の成立にともなう付帯決議や政令・指針を評価して、派遣労働者の権利拡大をという人もいますが、改悪派遣法は派遣法制定時に言われていたことを全部反故にして派遣法を全面解禁したわけです。戦後禁止されてきた労働者供給事業を全面禁止に! という主張をはっきりさせるべきと思います。
韓国民主労総は製造業への派遣労働の解禁をいまだに許していません。今その攻防の渦中にあります。民主労総と固く連帯して派遣法そのものの反動性を暴く必要があります。
更に民主労総にかけられた政令による労働法制改悪の攻撃は日本における改憲・戦争攻撃と一体であると思います。
安倍は9条2項改憲を言い出しました。9条2項と一対の関係にあるのが緊急事態条項です。これは2012年の自民党改憲草案98条に新設された条項です。これはナチスの授権法と比較されますが、簡単に言えば法律でなく政令でどんどん法律を変えて、労働組合を叩き潰していく攻撃です。今襲い掛かってこようとする労働法制改悪攻撃、緊急事態法・9条2項改憲攻撃は緊急勅令を使った労働組合絶滅攻撃に転化する攻撃です。これと真っ向から激突し、階級的労働組合をよみがえらせ、対決していく運動体が国鉄闘争全国運動であり、新たな署名運動です。
自民党改憲案は、戒厳令と緊急政令制定権を併せたもので、大日本帝国憲法によく似ています。1928年の治安維持法改正案、軍機保護法、国防保安法、国家総動員法は、施行の詳細などすべて勅令に委任されており、その立法形式はナチス授権法に倣ったとも言われます。国家総動員法は資源の動員のための統制が基本ですが、労働争議の制限や新聞や出版の制限までを含む、戦争遂行のための総合的な法律でした。安倍政権は、授権法に倣って、国家総動員法体制の再構築を企図しているのです。労働法制改悪は改憲・戦争攻撃と一体です。
「同一(価値)労働同一賃金」攻撃を許すな!
安倍は施政方針演説で「同一労働同一賃金」を論じましたが、「同一価値労働同一賃金」と同義です。これは異種労働間の賃金比較・差別撤廃の論理として80年代にアメリカで生まれた「賃金論」であり、差別賃金是正の論理なのですが、実は能力主義・業績評価制度に道を開く反動的論理です。職務に価値があるかのように職務から要求される技能・努力・責任・作業環境などを基準に個々人の労働に点数をつけて、点数が同じなら同価値の職務として同じ賃金にしろというのです。核心は労働組合解体攻撃であり、労働組合解体攻撃を逆に労働組合の組織拡大に転じることこそ最大の反撃であり、改憲・戦争攻撃への最大の反撃となります。