新採教員解雇撤回裁判 不当判決を徹底的に弾劾する! 一般合同労組さいたまユニオン 執行委員長 田畑 典保

7月29日、一般合同労組さいたまユニオンのS組合員が求めた解雇撤回裁判の判決公判が行われ、さいたま地方裁判所民事第5部(針塚遵裁判長)は請求を棄却する暴挙を強行した。さいたまユニオンは、満腔の怒りでこの棄却決定を弾劾し、断固として闘うことを宣言する。

2013年4月に白岡市内の中学校に新任教員として赴任したS組合員は、夏休み明けから度重なるパワハラ・退職強要を同僚教員・市教育委員会、埼玉県教育委員会から受け、悩んだ末、14年2月にさいたまユニオンに加盟し退職強要との闘いに立ち上がった。県教委、市教委との団体交渉で不当な退職強要を徹底的に弾劾したが、県教育委員会は3月31日付けでS組合員を免職処分にした。県教育委員会は「免職者の教員免許取り上げ」さえ通告してきたが、さいたまユニオンの激しい抗議弾劾によって、前代未聞の免許取り上げの暴挙は撤回せざるをえなかった。

あまりに不当な免職処分に対し、S組合員は、2014年8月、解雇撤回を求めて断固としてさいたま地方裁判所に提訴した。

今回の請求棄却の判決は、最初から「免職ありき」の政治的結論を持ったうえで、その結論を導き出すために物語を作るという裁判ならざる裁判ともいえるものだ。

そもそも法廷では驚くべきことに、免職処分の根拠となるはずの指導記録は、「そのような記録は破棄して存在しない」と校長や指導教官は証言せざるをえなかった。県教委が法廷に提出したのは、免職を決定した後に、免職処分を正当化するために県教委がまとめた文書である。原証拠となるはずの「指導記録がない!」と言うことが法廷であきらかになったにもかかわらず、判決は、この点については一切触れず、免職決定後に県教委がまとめたねつ造文書を丸ごと「正しい」と認定したのだ。県教委のねつ造文書をまるごと事実だとして認定したために、判決は、県教委のねつ造文書が「2年4組」という存在しないクラスのことを書いているという歴然たる過ちをそのまま「事実認定する」というズサン極まりないものだ。

原告側の主張を一切検討すらせず、ただひたすら県教委の結論をそのまま採用するデタラメな判決で不当解雇が正当化されてたまるか! 絶対に許すことはできない。

 

新採教員は教育公務員特例法により、一般の公務員が6ヶ月間の条件附任用期間が1年間とされているが、2006年7月の中央教育審議会答申の「教員免許更新制」「不適格教員の排除」とともに打ち出された「条件附任用制度の厳格な運用」以来、この1年間と言う条件付き採用期間において、毎年全国で300名以上の新規採用教員が退職に追い込まれている。「教員になりたい」夢を打ち砕かれ、パワハラに追い詰められて自死に追い込まれた新採教員も多数生み出されている。

埼玉県では2013年度で退職に追い込まれた新採教員は小中で28名、高校で4名の計32名に上っており、2015年度では、狭山市内の小学校で勤務していた新採教員が、夏休みに自死に追い込まれている。

「条件附任用制度の厳格な運用」とは、各県、市町村教育委員会に対して、毎年毎年「首切り」を行った新採教員の数を文科省に報告する義務を負わせる制度であり、まさに教育現場における「解雇自由」攻撃である。

退職強要を受けてやむなく退職し、正規教員への道を奪われた後、臨時教員として現場に立つ教員も毎年増加の一途をたどっている。埼玉県は学校現場における非正規教員の割合が、沖縄県についで全国2位の高水準が続いている。

条件附任用制度の厳格な運用にもとづく退職強要や非正規教員の激増こそ、中曽根以来の新自由主義教育の典型であり核心である。「小さな政府」を標ぼうする新自由主義教育のもとで、教育予算も教育公務員定数も削減され、削られた教育予算のもとで現場を回すために、低賃金、不安定な非正規教員を多用することが激化、増加の一途をたどってきた。58歳で20数回勤務校が変わった者もいる。学校現場は、正規・非正規の分断によって、教育労働者の団結が徹底的に破壊され、教員の過重労働と、ダブルワークやトリプルワークの教員が激増している。

 

今回の判決は、新自由主義教育の破綻的現実を是認し、安倍政権がすすめる「解雇自由」の労働法改悪の先鞭をつける超反動判決である。

教育労働者の団結を破壊し、戦争と改憲にひた走る安倍政権の政策に「従順な」教育労働者を作り上げることを率先推進する判決だ。

原告と弁護団、さいたまユニオンは、断固、控訴して闘うことを決定した。解雇撤回闘争は、第二ステージに突入する。闘いはこれからだ! さいたまユニオンは断固戦い抜く。

すべての闘う仲間のみなさん。合同一般労働組合・全国協議会で闘う仲間のみなさん。全国労働組合交流センター教育労働者部会の仲間のみなさん。ここからが本当の勝負です。

さいたまユニオンは、全労働者の解放へ向け、ともに闘うことを誓います。

勝利目指して、団結!

2016年7月29日