全国協ニュースNO.178(2020年8月17日)

全国協ニュース

新自由主義と闘う労働組合の形成は可能だ

コロナ危機と対決し、あらゆる職場に団結を!11・1日比谷大結集へ

合同・一般労組全国協議会副代表 黒瀬 博匡

被爆75周年86ヒロシマ大行動の前日、8月5日、広島市東区民センターで全国協交流集会が開催されました。私たち全国協の結成大会は2010年のこの日広島で行われました。それから10年、新自由主義の大崩壊がコロナ×大恐慌の中でむきだしになり、今や生き死にをかけて労働組合を結成していく時代に入っています。

はじめに、広島連帯ユニオン・宮原委員長が挨拶。基調報告は白井事務局次長(ちば合同労組)が行いました。まず、コロナ情勢下での5か月の闘いを振り返り、派遣会社ヒト・コミュニケーションズでの雇い止め撤回ストライキ、ZOZOユニオン結成、特養での賃下げを白紙撤回させた闘い、さらに自分も関わってきたA病院での医療労働者のストライキ決起を「これまでの価値観を変える闘い。医療を社会保障としてうちだした」と押さえて、われわれは新自由主義と闘うことができる!と総括しました。最初はささやかなことでいい、労基法違反の問題でもいい、組合を自分たちでつくること。職場での労働組合の日常的な活動が重要で、職場での闘いは動労千葉の反合・運転保安闘争に学んでやっていこう。それは経営との職場支配権をめぐる闘いになっていく。悪戦苦闘を共にすることで団結をつくっていく。A病院もそうだった。職場闘争からA病院のような闘いへ進もう。時代は変わりつつある。アメリカではBLM-根底的な変革の闘いが始まっている。日本でも労働者の壮大な闘いを再開させる時だ、11・1へ!とアピールしました。

この基調を受けて、全国から発言。群馬合同労組は、新しく結成した新聞配達ユニオンの仲間が真っ赤なゼッケンをつけて登壇しました。関西生コンのように業種別組合への取り組みを報告。外国人労働者も多数加入している。

広島から高揚病院労組の代表が発言。A病院の闘いに学び、自分たちで議論してコロナ補償要求し実現してきた。職場ビラは職場の人と議論できるものに変えた。「いま一番楽しい。組合は生きるために全てのことができる」と。さらに、東京西部ユニオン、関西合同労組、さいたまユニオン、岡山マスカットユニオン、合同労組かながわ、徳島合同労組、広大生協労組などから闘いの報告が続きました。

私たちはコロナ大恐慌の中で攻勢的に労働相談と組合作りに挑戦し、休業補償、解雇阻止の闘いをやり抜いてきました。各発言は教訓に満ちています。もっと議論を深め、総括し、具体的に方針を前進させるところまでやり抜く必要があります。全国協のすべての組合が参加して全国組織だからこそできる方針を作りましょう。10・11全国協大会に向かって実践と議論と変革を進めようということです。夏から秋にかけて倒産解雇-大量の労働者が失業に叩き込まれる情勢です。労働組合の闘いをまったく知らない人たちが結集し、団結し、資本とストライキで闘っていく、壮大な労働組合が復権する社会変革の時代を切り開こう!

『雇用によらない働き方』攻撃との闘い

合同・一般労働組合全国協議会事務局長 小泉義秀

『名ばかり個人事業主』(脇田滋編著 学習の友社)の紹介はすでにホームページに公開されている。字数の関係で前半部分も2つの事例しか紹介せず、後半の脇田滋の執筆部分は略してしまったが、この第2部の研究・学習は今後必要になってくる。全国協に最近寄せられてくる労働相談事例の中にも「雇用によらない働き方」のケースがあり、名ばかり管理職や名ばかり店長も多い。

 更に信じがたい相談事例もある。秘密保持と今後の闘い方に影響を及ぼすので詳細は書けないが、会社と結託した部分が法人登記をしている組合の代表者名をかってに書き換えたケースである。法務局はそれを何のためらいもなく「なりすまし組合」の言いなりに代表者名を変えてしまうのだ。これを梃子にして会社が「なりすまし組合」を正当組合と認定し、チェクオフの組合費を「なりすまし組合」の新たな銀行口座に振り込み、正当組合を労働組合とは認めず、団交を拒否し、組合事務所の明け渡し訴訟に出てくるケースである。大仕掛けの新手の労働組合潰しである。本書のテーマとは関係のない話であるが、これまでの常識では考えられない労働相談にも対応する必要があるので、さわりだけ書いておきたい。

 前掲書の第二部の本題に戻る。脇田滋は「『労働者』概念と労働法の適用対象」について、戦後労働法は労働者概念を幅広く考えてきたが、国鉄分割・民営化攻撃と軌を一にした派遣法の制定と、1985年の労働基準法研究会報告はその戦後の労働者概念を「逆行」させたということだ。

 「結局、労働基準法九条や労働組合法三条は、契約の形式にかかわらず、使用者の指揮命令を受けて働き、賃金によって生活する者を広く労働者とする『広い労働者概念』を採用しました。現在も、この広い労働者の概念定義は変わっていません。この『労働法上の労働者』には、特徴が三点あります。一つは、請負、委託、準委任という契約形式にこだわらない点です。労働法が適用きれる労働者は、契約だけでは決まらないのです。二つ目は、働くときに使用者に従属する実態があれば、法的に労働者と判断して労働法を適用する点です。三つ目は、この労働者をできるだけ広く捉えて脱法的な使用昔責任逃れを許さない点です。」(同107頁)

 1985年の労働基準法研究会報告はこの考え方を逆転させて正社員を労働者の典型と考えて、契約方式を利用した使用者責任を認めない方向へ舵を切ったということです。その結果濫用的な個人請負化が進んだのだと。今回12の事例で紹介されている個人請負化は「究極の非正規雇用」であると。事例の11番目でコンビニ加盟店ユニオン執行委員長の酒井孝典さんが、コンビニの実態を書いている。コンビニの店長も個人事業主ではなく、間違いなく労働者であるが、中労委はこれを認めなかった。全国協加盟のコンビニ関連ユニオンはこの壁を突破すべく、新たな闘いに踏み出している。

労働日誌(7月3日~8月16日)

解雇や雇い止め、製造業が最多7千人に 宿泊業を抜く

8月5日 朝日新聞

新型コロナウイルスの影響で解雇・雇い止め(見込み含む)にあった人は7月31日時点で4万1391人で、このうち製造業が最も多い7003人だった。これまでは訪日客の減少で宿泊業が最多となる傾向だったが、製造業が初めて追い抜いた。
厚生労働省が発表した。製造業は5月時点で2269人で、宿泊業、道路旅客運送業に次いで3番目だった。その後は徐々に増え、7月22日時点で6534人で宿泊業と並んでトップだった。7月31日時点では、製造業が最も多く、宿泊業(6830人)、飲食業(5595人)が続く。
厚労省は2月以降、新型コロナの影響による解雇、雇い止めの人数を集計し、5月29日時点からは業種別や都道府県別の人数を毎週公表している。各地のハローワークで把握できた分にとどまるため、すべての企業の動向をおさえた調査ではないが、需要減に直面する製造業の雇用情勢も悪化が進むことがわかる。

生活苦融資、リーマンの80倍 コロナ禍で1千億円超、申請殺到

7月24日 共同通信

新型コロナの影響で、生活が苦しくなった世帯が最大20万円を無利子で借りられる「緊急小口資金」の申請が殺到し、申請総額は約1045億円となり、リーマン・ショックの影響が大きかった2009年度の約80倍に上ることが24日、事務を総括する全国社会福祉協議会(全社協)への取材で分かった。
生活に行き詰まる人がかつてない規模で増えていることが浮き彫りになった。申請数は7月以降も週2万~3万件のペースで増加しており、頼る人はさらに増えそうだ。
緊急小口資金は、もともとは低所得世帯が対象の制度だが、国はコロナ対応の特例として対象を拡大した。

米で差別撤廃求め大規模スト 黒人暴行死事件機に

7月21日 共同通信

米中西部ミネソタ州の黒人男性暴行死事件を受けて反差別の機運が高まる米国の各地で20日、人種差別撤廃や経済格差の是正を求める大規模なストライキが実施された。医療関係者や食料品店の従業員らエッセンシャルワーカーが多数参加し、待遇改善を訴えるデモも行った。
米メディアによると、ストは労働組合や市民団体が共同で企画。東部ニューヨークや中西部デトロイト、西部サンフランシスコなど約160都市で実施された。
新型コロナウイルス対応で最前線に立つエッセンシャルワーカーは、黒人やヒスパニック(中南米系)など非白人の割合が高い。スト参加者は、職場では白人が優遇されていると訴え、差別撤廃とともに最低賃金の引き上げや医療保障の充実を求めた。

実質賃金5年ぶり急低下2・1%減、コロナで残業短縮 5月

7月7日 時事通信

厚生労働省が7日発表した5月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、名目賃金から物価変動の影響を差し引いた実質賃金は、前年同月比2・1%減だった。3カ月連続のマイナスで、減少率は2015年6月(2・8%減)以来約5年ぶりの大きさとなった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた休業などの影響で残業時間などの所定外労働時間が29・7%減少したことが響いた。
名目賃金を示す現金給与総額は、2・1%減の26万9341円だった。
月間の労働時間は9・0%減の122・3時間と大きなマイナスとなった。残業時間の大幅短縮が響いたほか、正規の就業時間も7・4%減少。業種別ではフィットネスクラブなどの生活関連サービスが30・4%減と最も大きく、飲食サービスが26・1%減で続いた。製造業は10・0%減だった。
現金給与総額を就業形態別に見ると、パートタイム労働者への影響が大きい。一般労働者は基本給などの所定内給与が前年同月と同水準となる一方、パートは3・9%の減少。残業代などの所定外給与も一般労働者を上回る33・1%の落ち込みとなった。

被爆75周年8・6ヒロシマ大行動
8・5全国協交流集会基調

2020年8月5日 広島市東区民文化センター

【1】はじめに コロナ情勢下での5カ月の闘い

  1. コロナ情勢5カ月の闘いと今後の方向性
  2. ちば合同労組の事例から

◉人材派遣会社ヒト・コミュニケーションズ

◉ZOZOユニオンの結成

◉賃下げ提案を白紙撤回させた介護職場分会

【2】新自由主義と闘う労働組合の形成は可能だ

  1. コロナが暴き出した新自由主義の問題

①非正規化、民営化、外注化(アウトソーシング)の問題

②労働者の日常から労働組合が奪われている労働者は闘いを求めている。意識は変化しつつある。立ち上がる条件はあるが、なかなかその受け皿がない状態

  1. 病院統一ストライキ、ニッパチ闘争を継ぐ闘いへ

船橋市の病院労組のストライキが切り開いたもの

  1. 医療は、国鉄と同じく新自由主義の問題

【3】職場に労働組合をつくることを基礎に

(1)労働組合をつくるために何を意識し、何を準備するのか

◉職場に労働組合をつくる。

◉労働組合はつくるよりも維持が難しい

◉職場闘争は動労千葉の反合・運転保安闘争に学ぼう

【4】日本の労働者階級の中に大きな物語を!

◉11・1日比谷野音集会へ