全国協ニュースNO.181(2020年12月26日)

全国協ニュース

あの手この手の雇用破壊の攻撃と闘いぬき、職場・地域から闘いの火の手を上げよう

合同・一般労働組合全国協議会事務局長 白井徹哉

 厚生労働省の集計でも、新型コロナ感染の第3波の中で新型コロナ関連の解雇や雇い止めが急増しています。業種別では製造業、飲食業、宿泊業に多く、都道府県別では東京都が断トツで、大阪、愛知、神奈川、北海道と続く。年末年始-年度末に向かって戦後最大規模の雇用危機が迫っています。特に、非正規雇用の若者、女性、外国人が危機的な状況があり、合同・一般労組全国協議会として年末年始の宣伝活動や労働相談の取り組みを強化したいと考えています。コロナ関連の解雇や雇い止めは、業務縮小や倒産、廃業などを原因として生じており、その多くは個別の問題ではなく、その職場や業界の労働者全体の問題として生じるケースが多いと思います。ですので、労働相談についても、組合結成と団体交渉などの労働組合の問題として提起することが重要だと思います。地域の労働組合としてあらゆる職場に労働組合をつくるスタンスで取り組みを進めたい。

 またコロナの影響と一概に言っても、やはり、さまざまな業種における特有の問題として雇用問題が生じるので、地域の同業種の職場に対して、解雇や雇い止めとの暴露と闘いについて宣伝し、組織化を拡大する戦略で取り組むことも必要だと思います。医療・介護職場、郵政、物流などなど、さまざまな業種で組織化(拡大)戦略を形成することが、個別の職場の闘いも前進させる道だと思っています。

 この間の政府や厚生労働省の動きをみると、7月に閣議決定した成長戦略実行計画では、ウィズコロナ・ポストコロナの働き方として兼業・副業、フリーランスの環境整備を提唱し、労働時間の把握についても自己申告制を導入して労働時間管理の企業責任を免除するなどと書いています。非雇用型の働き方で労働法の保護や団結権を否定する動きと闘う必要があります。

 テレワークの拡大で、私生活と労働時間の概念・境界が曖昧化しています。労働者が団結する契機を奪うような働き方という点でも大いに問題がありますが、テレワークの拡大などから生じる労働問題について具体的な検討や闘いが必要だと思います。

 また厚生労働省は「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」を11月に再開し、菅政権のもとで金銭解雇制度の導入を狙っている。解雇無効と判断された場合であっても金銭を支払うことで職場復帰させずに労働契約を終了させる制度であり、しかも使用者側からの金銭解雇制度への申し立ての道を開こうとしている。

 関西生コン労組への弾圧やJRにおける労組破壊の攻撃と一体で、金銭解決制度や非雇用型労働の拡大などの攻撃のエスカレーションは、全国の合同労組・ユニオン、多くの労働者に強い危機感を生み出しています。労働運動の再生への機運を含めた転機とできるはずです。2021年は、あの手この手の雇用破壊の攻撃と闘いぬき、職場・地域から闘いの火の手を上げよう。

雇用関係によらない働き方? シルバー人材センター

東京東部地域合同労働組合東部ユニオン委員長 小泉義秀

 雇用によらない働き方とは何か? 「雇用類似」ともいう。ウーバー・イーツの宅配サービスやアマゾンの翻訳サイトなどの仕事等々。アメリカではこの働き方が全労働者の50%を超えると言われている。労働者ではなく、個人事業主の扱いを受けるので労働基準法や労働組合法、労働契約法、社会保険法、労働保険法関連、労働安全衛生法、税法・給与所得などの適用を受けない。

 失業対策事業縮小に伴い、定年退職者等、65歳以上の高齢者の就労については、「シルバー人材センター」などでの就労事業が各地で広がっていった。1986年、高齢者雇用安定法制定によって、同センターが法制度化された。国鉄分割・民営化と同じ時期だ。しかし、センターを通じて就労する高齢者は労働法上の「労働者」として扱われない。あくまで、「生きがい就労」を目的とした個人請負就労者とされてきた。しかし、その就労実態は一般の労働者とほとんど異ならない。むしろ、公的年金給付が不十分なために経済目的で就労し、低賃金労働カとして企業に受け入れられている例が多い。実際に危険業務に従事して、労働災害に遭う事例も少なくない。被災労働者が訴訟を通じて、ようやく労災保険適用が認められた事例もあるか、労働者ではないとされているので労災の適用は受けられない。その代わりにシルバー保険があるが「シルバー保険は医療費を支払うものではありません。治療は会員の皆さんが加入している健康保険で行ってください」となっている。

「公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会」が発行している「安全就業ニュース」が「今月の事故」を毎月発行していて、ネットで検索すると出てくる。2020年4月号は植木剪定作業中の墜落事故について書かれている。

「会員1(70歳前半の男性)が、三脚梯子の3mの位置に足を置き、地上5mの枝をチェーンソーで切断中にその枝が折れ、その枝が当該会員を直撃し、バランスを崩したため3m下のコンクリートの歩道の上に墜落した。病院に救急搬送されたが、6か月以上入院が経過し、現在も入院中である。入院時に意識障害があった、現在、意識は回復している。しかしながら退院の見通しは立っていない。」

 2018年は53件の事故があり、43名が死亡している。2019年は37件で18名が死亡だ。放置自転車の指導・誘導業務で7~9時までの仕事を終えた後で熱中症で死亡した例もある。80歳の男性だ。夜間一名での作業中に転倒して頭を打って死亡した80歳男性の事例も掲載されている。二人作業で誰かが気付けば助かったかもしれない。

 龍谷大学名誉教授の脇田滋は「GEKKAN ZENROREN 2018・4 」で「就労の実態を重視して労働者性を明確に認めるべきである」と書いている。労働組合に組織されて闘っているシルバー人材センター労働者がどのくらいいるのか? 新しい闘いになるかもしれないが、労働運動の課題である。

労働日誌(11月24日~12月25日)

米大富豪、資産百兆円増 コロナ禍の株高、恩恵集中

12月24日 ニューヨーク共同

保有資産が10億ドルを超え「ビリオネア」と呼ばれる米国の大富豪約650人の資産総額が、新型コロナウイルスの流行下に1兆ドル(約104兆円)以上増えたことが、米シンクタンクの政策研究所(IPS)の調査で明らかになった。景気後退で失業率が高止まりする中、株高などの恩恵が一握りの富裕層に集中していることが鮮明になった。

コロナ禍で生活が困窮したり、家賃が払えず立ち退きを迫られたりしている人は数千万人に上るとされる。富裕層への増税や巨額の財政出動を掲げるバイデン次期米大統領が、思惑通り格差是正や雇用回復を実現できるのか注目される。

巨額歳出も拡大圧力やまず 財政再建、風前のともしび 来年度予算案

12月21日 時事通信

政府の2021年度予算案は、新型コロナウイルス対策により、当初予算で過去最大の106兆6097億円に膨らんだ。
20年度に3度の補正予算を編成し、大規模な財政出動に踏み切ったものの、歳出拡大の圧力がやむ気配はない。税収不足を新規国債の大量発行で穴埋めするいびつな構造に陥っており、財政再建は風前のともしびだ。
政策的経費を借金に頼らず、税収でどれだけ賄えているかを示す「基礎的財政収支(PB)」は、21年度に20兆3617億円の赤字に陥る見通し。20年度当初予算段階の9兆6264億円に比べ、2倍超に拡大する。政府は、国と地方のPBを25年度までに黒字化する目標を掲げるが、修正に追い込まれるのは必至の情勢だ。
借金頼みが続き、普通国債に借入金などを加えた国の長期債務残高は20年度末に1010兆円、21年度末に1019兆円に積み上がる見込み。14年度末には国と地方の合計で1000兆円を超えたが、国だけで大台を突破する。
企業業績の悪化で税収が低迷し、21年度の歳入に占める国債の比率は40.9%と前年度当初から約9ポイント上昇する。財務省幹部は「持続可能性の課題は十分認識している」と、コロナ収束後を見据え財政再建を目指す姿勢を堅持する考えを示す。ただ、コロナ禍が長期化する中、さらなる経済対策を迫られる可能性がある。

労組組織率は17・1%で、前年比0・4ポイント上昇

労働組合基礎調査

厚生労働省は16日、2020年「労働組合基礎調査」結果を公表した。2019年6月30日
現在の推定組織率は17.1%で、前年比0.4ポイント上昇した。労働組合員数は
1,011万5,000人で、同2万8,000人(0.3%)増加。パートタイム労働者については、
137万5,000人で、同4万2,000人(3.1%)増加、組織率は8.7%で、同0.6ポイント上昇、
いずれも過去最高。女性の労働組合員数は343万5,000人で、同5万人(1.5%)増加、
組織率は12.8%で、同0.4ポイント上昇。

コロナ解雇、7万6000人に 非正規労働者6割

厚生労働省

厚生労働省は15日、新型コロナウイルス感染拡大に関連する解雇や雇い止めは、11日時点で見込みを含めて7万6543人だったと発表した。前週よりも1202人増加。アルバイトなどの非正規労働者が約6割に当たる702人を占めた。
業種別では製造業が1万5310人で最多。飲食業が1万902人、小売業が1万272人、宿泊業が9542人、労働者派遣業が5064人と続いた。
都道府県別では東京都が1万8476人で最も多かった。次いで大阪府が6581人、愛知県が4315人、神奈川県が3354人、北海道が2979人。
労働局やハローワークに寄せられた相談や報告を基に集計。

10月の失業率、3.1%に悪化 雇用にコロナの影響続く

12月1日 共同通信

総務省が1日発表した10月の完全失業率(季節調整値)は、前月比0.1ポイント上昇の3.1%で、2カ月ぶりに悪化した。完全失業者数は前年同月比51万人増の215万人で、9カ月連続の増加。新型コロナウイルスの感染拡大による雇用情勢への影響が依然、続いている。
厚生労働省が同日発表した10月の有効求人倍率(季節調整値)は1.04倍で、前月から0.01ポイント上昇。2019年4月以来、1年6カ月ぶりの改善となった。感染拡大で採用を控えていた企業の一部が、夏の「第2波」後にいったん状況が落ち着いたのを受け、採用活動を再開したとみられる。

合同一般・ユニオン経験交流会のご案内

合同・一般労働組合全国協議会事務局

今年2月に合宿形式で開催した全国経験交流会ですが、好評につき2021年2月に再度開
催いたします。今回は日程の関係で1日だけですが、ゲスト講師として木下武男さんに講演を
お願いすることとなりました。各ユニオンの取り組みに資するような経験交流の場として成功
させたいと考えますので積極的な参加をお願いします。