全国協ニュースNO.183(2021年2月24日)

全国協ニュース

闘いこそが新たな闘いを組織する

合同・一般労働組合全国協議会事務局長 白井徹哉

(1)3月末解雇・雇い止めとの闘いを!

 解雇・雇い止めに対して全国で悪戦苦闘の闘いが取り組まれている。コロナの影響による倒産・廃業に伴う解雇、あるいは非正規労働者の雇い止めなどが年末・年度末を区切りとして強行されている。報道ではサービス業の雇い止めが目立ち、非正規の女性労働者の失業が社会的にも焦点化している。

 ハローワークでは窓口の非正規相談員1万人以上の雇い止めが強行されようとしている。厚生労働省は、2008年のリーマンショック以後、労働行政(相談業務)強化の要請の中で、相談員を大幅に増やしたが、基本的に非正規での雇用であり、しかも3年ごとに雇い止めで、仕事を続けるには公募に応募し、新規応募者と一緒に面接を受け、合格しなければならない仕組みにしている。国鉄分割・民営化型の解雇が3年ごとに行われているのだ。

 解雇・雇い止めの闘いについて、全国協として全国で闘争化・可視化し、抵抗闘争を組織し、反撃していくことが必要だ。解雇・雇い止めの問題は、コロナによる不況や業績低下、経営不振に伴う一般的現象ではない。ハローワークの例に典型的な非正規化、民営化や外注化、それに屈した労働組合運動の歴史的後退によって生じている。

 また、産別や業種それぞれの特有の問題もある。職場の仲間、同業種の仲間、地域の仲間へと闘いを拡大し、社会化して展望を切り開いていくことが必要だ。核心は労働組合による闘いこそが労働者の現状を変える道であることを繰り返し訴えることだ。

(2)職場からの闘いを! 業種別・ギグワーカーの組織化を!

 あらためて職場で闘うこと、職場の仲間、職場組織の団結を総括軸に闘いを展開することが重要だ。東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会が新段階の職場闘争に突入している。職場の団結を頼りに鈴コン資本打倒の新たな闘いに入っている。こうした全国の職場で展開すること、互いに励ましあい、教訓を共有していくことが重要だ。

 郵政・自治体・介護・物流……様々な産別・業種で闘いが前進している。こうした闘いの経験や教訓を共有し、全国の地域合同労組・ユニオンの取り組みの出発点にしよう。

 英最高裁判所がウーバー運転手は労働者であるとの判断を示した。ウーバー社は個人事業主であると主張してきた。仏最高裁も同様の判断を示した。いわゆるギグワーカーの労働者性をめぐる闘いと組織化は重要な課題だ。コンビニ関連ユニオンを先頭にさら取り組みを強化していきたい。

 プロ野球選手会のように労働組合をつくって交渉を進める道もある。バラセメント輸送の中小企業の事業協同組合が輸送運賃の改定などを求めてメーカー側に団体交渉を求めた裁判で応諾命令を出した例もある。中小企業等協同組合法には、事業協同組合が団体協約のための交渉を求めた場合、誠実に応じる義務があると規定している。

(3)職場代表選挙ー21春闘から職場に労働組合を

 3月は、36協定締結などで職場代表選挙が行われる職場も多い。可能な職場では積極的に挑戦しよう。選挙という形式は職場の全労働者がストレートに当事者となる。職場全体を対象化して闘争と組織化をプランニングすることは重要だ。過半数代表になれば36協定や安全・衛生委員会の委員の半数任命権などが行使できる。あるいは就業規則の改悪等がセットで提案されているケースもあるので、こうした問題について議論と意思表明、職場闘争を組織する中で労働組合の組織化に結び付けよう。

 職場代表選挙などをきっかけにして春闘への取り組みを労働組合として提起し、アンケートをまとめて要求書にして団体交渉などを進めていく。賃上げ(大幅・一律)・非正規労働者の待遇改善(4月から同一労働同一賃金が中小企業にも適用される)、コロナ関連の諸要求、65歳以上の高齢者の雇用の要求(高齢者雇用安定法の改定で70歳までの雇用について努力義務)…。動労千葉の3月ダイ改阻止ストライキに連帯して、全国で春闘行動に取り組もう。

(4)闘いこそが新たな闘いを組織する。闘いこそが全国を激励する!

 各ユニオン、職場や地域の闘いを土台に、全国協として全国的な連帯感を作り出し、闘いの経験や教訓を共有し、励ましあって、全国規模で活動者集団をつくっていこう。いまだ端緒的とはいえ、全国で素晴らしい闘いを展開しているが、まだ共有できていないことの方が多い。闘いでの連帯・激励・教訓化などをもっと強めよう。

 一つの職場のストライキ闘争が別の闘いを組織するのは普遍的現象だ。ある程度の団体交渉や社前闘争などを展開し、それをビラやブログ、SNSで宣伝すれば、地域のユニオンとして認知され、闘いが闘いを組織していくようになる。

 どんな組合も最初は少数であり、どんな活動家も最初は初心者だ。小さな闘いでもどんどん経験を積んでいこう。

 改めて、基礎的活動の重視を訴えたい。執行委員会で組織化や闘争方針について議論する。執行委員会を先頭に全組合員の力で組織的に取り組んでいこう。ウェブサイトの運営、宣伝活動、ニュースの発行など基礎的活動をしっかり行おう。

 個々の労働相談、個々の闘いや組織化について、個別の問題にしないで労働者全体の課題として、新自由主義攻撃との闘いとして位置付けていこう。闘いの中でこそ時代認識と闘いの路線は鍛えられる。どんな運動と組織を目指すのかのイメージと、労働者階級の置かれた状況や情勢認識は相互に前進・深化していく。地域合同労組として、地域・職場・業種別の闘争化と組織化に果敢に挑戦し、全国協として全国的な団結をつくっていこう。

 

「都立病院なくすな2・21集会&デモ」報告

 コロナ感染が急拡大してします。病床の多い日本でなぜ「医療崩壊」? なぜ検査が拡大しない? 足りないのは医師や看護師、公立・公的病院です。医療や公衆衛生が破壊された結果です。小池都知事は、この状況下でコロナ感染者を受け入れている都立病院を2022年度に独立行政法人化(民営化)する方針を進めています。今すぐやめさせよう! 「都立病院つぶすな」署名を広げ、2・21集会に集まりましょう。一緒にデモしよう!

2・21集会のビラの一節である。2月21日(日)1330分よりすみだ産業会館サンライズホールにおいて集会が開催され、16時からJR亀戸駅までデモ行進を行った。都立墨東病院を横目に見ながらのデモであり、沿道のマンション・団地から手を振る人の数がものすごかった。集会・デモの様子はユーチューブ等に流されているので、そちらを参照のこと。


メインの発言は山田真医師。山
田さんは発言を以下のようにまとめた。

「私が強調しなければならないのは都立小児病院がつぶされたこと。難病を抱えた障害をもった子供たちが沢山来ていましたけれども、突然無くなって府中に行くことになって、やはり距離的にも行けないということになって、本当に困って、その親御さんたちが都立病院の廃止に反対する会のようなものを作って、それで結局私がそれに関わるようになりました。

 これが現在の都立病院全体の独法化につながる最初だったかと思います。小児科というのはもともと不採算な部門なんです。昔は、どなたでも収入が成り立つようになっていたんですけれども、日本の医療というのは基本的に薬を沢山使えば儲かるし、検査を沢山やれば儲かるというシステムになっているんです。何もしないでお話を聞いて、それで大丈夫だというのでは何の収入にもならない医療の形なんです。小児の場合は大人に比べると薬の量は少ないし、検査をする必要もほとんどありません。

 ベッドについて言えば小児科の入院というのは季節性がありまして、例えば冬になってインフルエンザが流行ったり、あるいはウイルス性の胃腸炎が流行って脱水になったりすると急に入院しなければならない子が増えるんです。春とか秋とかはベッドが空いてしまうんです。そうすると本来は冬に向けて空いているベッドについて公的な補償がされないと、やっていけないんです。そういうことを、どんどんしなくなってきた。

 これは単に東京都の問題ではなくて、国がほとんど公的な援助をしない。厚労省が全国で採算があっていない地域の病院の一覧表のようなものをあげて、この状態だとつぶすような脅しをかけたことがありましたが、そういう状態で、一つひとつの病院は採算を第一に考えなければならないという状況になっています。そういうことがあって都立病院の必要性というのはもう一度皆さんで考えてみることが必要です」

 

労働日誌(1月26日~2月23日)

ハローワーク職員1万人以上、雇い止めの可能性 「相談乗った翌日から失業者、ブラックジョーク」

2月15日 京都新聞

全国のハローワーク職員の7割を占める非正規職員が年度末に大量雇い止めになる可能性が高いとして、非正規職員の有志グループが15日、安定雇用の確保など改善策を求める田村憲久厚生労働相宛ての要請書を、2万2千筆の署名とともに提出した。
有志グループによると、各地の労働局やハローワークを含む厚生労働省の非正規職員は2万7千人を超える。3年ごとに公募採用が繰り替えされるため、本年度末もハローワークの窓口で労働相談に乗っている1万人以上が雇い止めされる可能性があるという。
要請書は「労働行政は高い専門性と職業意識を持つ非正規職員なくしては機能しないことがコロナ禍対応で明らかになった」と指摘。基幹業務を担う非正規職員の雇用の安定や、更新採用プロセスの透明性の確保など、非正規職員を巡る制度の抜本的改革を強く求めている。
有志グループは「雇い止めになっても理由は告げられない。正規職員が気に入らない非正規職員を追い出す口実に使われることも少なくない」と指摘。「多くのハローワーク職員が3月31日まで求職者の相談に乗り、翌日からは失業者として求職カウンターに並ぶことになりかねない。当局は直視し、改善してほしい」としている。

非正規職員・従業員、前年同期比78万人減少/労働力調査・詳細集計10~12月期平均

総務省は16日、「労働力調査(詳細集計)」速報結果を公表した。2020年10~12月期平均の役員を除く雇用者は5,638万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比14万人増の3,528万人で5期連続の増加。非正規の職員・従業員は、同78万人減の2,109万人で4期連続の減少。
非正規の職員・従業員について、男女別に現職の雇用形態についた主な理由をみると、男女共に「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多。失業者は、前年同期比48万人増の219万人。
なお、同日公表の2020年平均では、正規は35万人増加の3,529万人で6年連続の増加、非正規は75万人減少の2,090万人で11年ぶりの減少。

12月賃金、11年ぶり落ち込み=3.2%減、コロナで賞与カット

2月9日 時事通信

厚生労働省が9日発表した2020年12月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、名目賃金を示す1人当たりの現金給与総額は前年同月比3.2%減の54万6607円だった。単月ではリーマン・ショック後の09年12月以来11年ぶりの大幅な落ち込みとなった。新型コロナウイルス感染拡大による企業活動の停滞で残業時間が減少し、業績悪化に伴う賞与カットも響いた。
20年通年でも前年比1.2%減となり、11年ぶりの落ち込みを記録。コロナ収束は見通せず、21年も厳しい情勢が続きそうだ。物価変動の影響を差し引いた12月の実質賃金は1.9%減だった。