全国協ニュースNO.187(2021年6月30日)

全国協ニュース

職場からの闘いと団結を追求するユニオン・合同労組を改めて強調したい

合同・一般労働組合全国協議会事務局長 白井徹哉

【1】

 高齢者や医療従事者を対象にした新型コロナワクチン接種に続き、大企業や大学で職域接種が始まった。直後的なアレルギー反応や発熱、筋肉痛、あるいは数日後の発熱や頭痛、だるさなどの副反応を訴える人は少なからず存在する。接種するか悩んでいる人、あるいは接種しないことを決めた人も多い。多くの葛藤がある。その気持ちを声にできず苦しむ人も多い。

 過去の歴史において、ワクチンが天然痘やポリオ、麻疹や風疹、狂犬病やコレラなど様々な感染症を予防し、いまも年間数百万人の生命を救っているのは事実だ。他方で、副反応や事故も不可避であり、深刻な薬害事件も多い。このためワクチン開発には厳しい条件が課され、時間をかけた検証も必要となるため開発期間も長期に及ぶ。当然のことだ。

 新型コロナウイルスの感染爆発は、この2030年で急加速した新自由主義による環境破壊やグローバリズム、あるいは保健衛生や医療など社会保障の後退などが背景にあり、「新自由主義を終わらせる」のテーマは単に抽象的・理念的な議論にとどまらないはずだ。

 しかし世界の支配者・為政者は、真実を隠し、事態を軽視し、支配者の利益を優先して人びとを危険にさらし、数百万人の生命を奪っている。菅政権は〈人命より経済、五輪〉の政治で、動揺しながらも医療崩壊の現実を開き直り、ワクチン一辺倒で突破しようとしている。

 新型コロナワクチンは、未知数の技術である遺伝子組み換え技術を使い常識はずれの短期間で、従来の手順も無視して開発が進められてきた。巨大な利権や政治的思惑が優先され安全性が軽視されており、中長期的な影響はまったくわからない。

 新型コロナ感染の拡大を止めるには、保健衛生(検査や追跡の体制その他)や医療体制を再建し、感染対策に伴う補償などをしっかりすることが絶対に必要だ。社会保障の解体や労働者の権利破壊を継続したまま、ワクチン偏重で「社会防衛論」の扇動で、すべての矛盾を解決できると考えることなど到底容認できない。

 職域接種がはじまった現場では、「拒否なら解雇」「接種しないなら出勤を認めない」「感染者が出たらあなたのせい」など〝ワクチンハラスメント〟が横行している。多くの労働者が健康不安や不利益に直面している。因果関係が明確に示せない発熱やだるさが生じ自己都合として休業を余儀なくされる医療・介護労働者も少なくない。

 ワクチン関連の使用者都合による休暇はもとより、副反応に伴う休業補償、接種しない労働者の権利、副反応の追跡調査、明確な情報公開……労働組合の立場で、閉塞状況を打ち破り、声を出すことができるようにすることが必要だ。昨年、医療崩壊に直面した医療労働者の根底的決起として「医療を社会保障として取り戻す」を掲げたストライキのような闘い方が必要だ。

【2】

 コロナ情勢下、全国各地で、合同一般労働組合全国協の仲間の奮闘が続いています。最近の特徴として、ささやかではありますが、同じ職場から複数の労働者がユニオンに加入して闘いを開始する事例が出ています。あるいは1人の相談から始まった例でも、同じ職場や同業種の労働者に共通する課題として問題提起し、組織拡大した例もあります。

 「駆け込み寺」「個別紛争解決」型にとどまりがちなユニオン・地域合同労組運動の〝壁〟を打ち破って、オーソドックスな労働組合運動を展開する兆しが見えてきました。東京西部ユニオン鈴コン分会を先頭とした合同一般労組全国協の十数年の奮闘、あるいは弾圧を契機として関西生コン労組の画期的な産業別労働組合運動からあらためて学んだこと、木下武男さんの『労働組合とは何か』などの研究者や様々なユニオン運動からの教訓化、そして労働者の意識の変化など、いろんなことが全国協の実践と結びつき、変革と展望を生み出しています。

 その上で、階級的労働運動の再生にとって決定的な舞台である職場からの闘いと団結を追求するユニオン・合同労組を改めて強調したいと思います。動労千葉の反合理化・運転保安闘争や関西生コン労組の産業政策に学んで、それぞれの職場や業種、産業において反合理化・運転保安の職場闘争を実践し、その勝利や敗北、失敗を総括し教訓化していくことが大切です。

 闘いの中でこそ時代認識や路線は生み出され、何より具体的方針が生み出されるはずです。もちろん困難な道です。だからこそ同じように悪戦苦闘をしている全国の仲間が共感しあい、成功も失敗も含めて経験や教訓を共有し、激励・連帯していくことが必要です。職場や社会の主人公は労働者であり、労働者の未来は自分たちで決める、そういう労働者をどんどん増やしていきたいものです。

  * * *

 菅政権は、入管法改悪こそ断念させたが通常国会で国民投票法改悪や土地規制法、デジタル監視法など超反動法案を次々と成立させ、新型コロナワクチン一辺倒で五輪開催に突き進んでいます。腹の底から怒りを表明し、闘いを呼びかけることが必要です。

 地域・職場からの階級的労働運動再生に向けた努力、そして関西生コン労組弾圧粉砕、五輪粉砕や8月ヒロシマ・ナガサキ、ミャンマー連帯などを一体的に闘い抜き、夏・秋-11月労働者集会に向かって闘い抜こう!

7・13武建一委員長に対する不当判決を許すな!

 3月30日の検察側の論告では、正当な活動を装った業務妨害により資金を獲得するという反社会的活動であり、利欲的、組織的、計画的で卑劣な犯行であるとしている。また各事件ごとに、犯行態様が執拗かつ狡猾、悪質、結果が重大とか述べた上、武委員長が首謀者で責任は非常に重大である、再犯のおそれが極めて高いということも述べている。長期間の実刑にして矯正教育をすることが必要だというのが検察の結論だ。

 労働組合の正当な活動を暴力団のような反社会的集団の活動であるかのように描き出そうとしている。日帝国家権力の意志を露骨に全面化させている。

 これに対して武建一委員長は以下のように陳述し、検察側のどす黒い反動的な弾圧を木っ端みじんに粉砕する反論を行った。

 以下、核心部分。「大阪広域生コンクリート協同組合は元ヤクザに支配されている。元々ヤクザは法律違反をすることにより成り立っている。組合員のいる企業へはセメント、骨材を売るなと圧力をかけ、組合との団交を拒否することを各社に求めている。これは独占禁止法と労働組合法違反行為ではないか。これを許すか否かが問われているのである。」

今回の検事による不当な求刑は、今回の国策捜査の本質を見事に現したものである。すなわち、「国際的標準である関生支部の産業別労働運動を抹殺することであり、関生支部が55年以上に渡り獲得した産業別賃金、産業別雇用、産業別福祉、背景資本への責任追及集団交渉、中小企業との協力・連携による大企業の収奪と闘い産業民主化を図る運動を抹殺することにあることが明白となったのである。」

 正当な労働組合活動に対して、8年の論告求刑が為され、7月13日に判決が出される。罪とされるものは何もない。組合としてのストライキが威力業務妨害とされている。企業に法令を遵守させる活動が恐喝未遂とされ、逮捕・起訴されているのだ。コロナ禍でのオリンピックの強行、改憲のための国民投票法の採決強行、都立病院の独立行政法人化をはじめさらなる民営化の推進により、菅政権はすべての矛盾を労働者民衆におしつけ、さらなる新自由主義にのめりこんでいる。武委員長は「コロナ禍で中小企業つぶしや労働者の解雇が強まっています。今こそ関生が反撃に移り、力強い回復力を実現するごとが日本の労働運動の再生に大いに寄与する」と語っている。問われているのは労働組合の闘いだ。菅政権への怒リをこめて、関西生コン労働組合つぶしを絶対に打ち砕こう。

 7月13日(火)1719時まで、JR新宿駅南口で、武委員長に対する1審判決を迎え撃つ街宣を行う。こんな弾圧を許すならば、あたりまえの労働組合活動が成り立たなくなる。暴力団=反社勢力として関西生コン支部を弾圧の対象としている。このような弾圧を許すならば、全労働者、すべての労組活動家に同様の攻撃が襲いかかる。

 71日の日比谷図書館地下コンベンションホールで行われる『棘』2の上映会を皮切りに、全国各地での上映会に結集しよう。

労働日誌(5月20日~6月29日)

免除・猶予者、609万人 国民年金、コロナで過去最多 20年度

6月28日 時事通信

厚生労働省は28日、2020年度の国民年金保険料の納付状況を発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全額免除・猶予者は前年度比26万人増の609万人となり、基礎年金制度が導入された1986年度以降、最多となった。納付率は同2.2ポイント増の71.5%で、9年連続で改善した。

コロナの影響で収入が急減した人を対象にした特例措置の導入で、保険料納付の免除・猶予を受ける人が増えたとみられる。納付率は、納付対象月数に占める納付月数の割合。全額免除・猶予者は対象月数や納付月数に算入しないため、結果的に納付率を下げる要因にはならなかった。

感染防止のため、日本年金機構は未納者への戸別訪問や強制徴収を停止したが、以前から行っている催告状送付などの取り組みが納付率を押し上げた。全額未納者は同10万人減の115万人だった。納付率を年代別に見ると、最高は55~59歳の78.9%、最低は25~29歳の59.5%。都道府県別では島根(83.3%)が最も高く、新潟(83.1%)、富山(82.4%)と続く。最も低かったのは沖縄(61.1%)で、次いで大阪(64.1%)、東京(67.1%)など。 20年度末時点の国民年金加入者のうち、自営業者とその配偶者ら第1号被保険者は前年度末と比べ4万人減の1449万人、会社員や公務員の配偶者ら第3号被保険者は同27万人減の793万人。厚労省は、制度改正によりパートなど短時間労働者が厚生年金に入ったことなどが要因とみている。

障害者が賃上げスト オリンパス特例子会社「生活できぬ」

6月22日 毎日新聞

光学機器メーカーオリンパスの特例子会社、オリンパスサポートメイト(八王子市)の障害を持つ労働者が21日、生活できる賃金への引き上げを求めて終日ストライキをした。障害者雇用の促進を図るために設けられた特例子会社でのストは異例で、労働者は「賃金が最低賃金レベルで生活が成り立たない」と話す。今年度の最低賃金の議論にも一石を投じそうだ。
ストをしたのは労働組合「首都圏青年ユニオン・オリンパスサポートメイト分会」の組合員で、月額1万円の賃上げを求めている。同日、厚生労働省で記者会見した同労組によると、月曜―金曜にフルタイムで契約書のデータベース作成や翻訳などの事務的業務をして賃金は月額約17万円。手取りは約14万円だという。時給に換算すると1126円で、都の最低賃金(最賃、1013円)と1割程度しか違わない。

2021年 上場企業「早期・希望退職」実施状況 ~ 前年より3カ月早く、募集人数が1万人超え

6月4日 東京商工リサーチ

2021年の上場企業の早期・希望退職者募集人数が6月3日、1万225人に達した。2019年から3年連続で募集人数が1万人を超えた。1万人を超えたのは前年(9月14日)より約3カ月早く、上場企業の人員削減の動きが広がっている。実施企業数は前年同日(33社)より17社多い50社。募集人数は、前年同日(6104人)より4121人多い。
今後も、コロナ禍による業績への影響が長期化する企業を中心に、実施企業数、募集人数ともに増勢をたどるとみられる。

残業代減少、過去最大に 20年度、新型コロナ影響

5月28日 共同通信

厚生労働省が28日発表した毎月勤労統計調査(確報、従業員5人以上の事業所)の2020年度まとめによると、1人当たりの月額所定外給与は前年度比13.3%減の1万7028円で、比較可能な13年度以降で過去最大の減少幅となった。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発令が相次ぎ、飲食業を中心に休業や営業時間の短縮が余儀なくされたことが影響した。

基本給や残業代を合わせた現金給与総額は1.5%減の31万8081円だった。勤務形態別に給与総額を見ると、一般労働者は1.9%減の41万6570円で、パートタイム労働者は0.9%減の9万9083円だった。