労働運動ニュース第5号発行しました!

 労働運動ニュース第5号を発行しました。

 内容は、1面 一般合同労組・東京西部ユニオン鈴木コンクリート分会、ストライキに決起!

          9/29郵政非正規ユニオン、郵政本社へ抗議デモ

    2~3面 労働日誌Labor Watch(9/17~9/27)

      4面 有期雇用・雇い止めと闘うために(小泉義秀)

 

               有期雇用・雇い止めと闘うために

 厚生労働省労働基準局長の委嘱を受けて2009年から12回にわたり検討してきた「有期労働契約研究会 中間取りまとめ(2010年3月17日)」によれば、「有期契約労働者は1985(昭和60)年の437万人から2009(平成21)年には751万人(雇用者総数の13・8%)に量的に増加し、また特にこの間の2000(平成12)年から3年ほどその増加のピッチが上昇した後、高止まりしている」(「労働力調査」)。しかしアンケート調査によれば「7割の事業所は雇い止めを行ったことは無い」(同3頁)という。有期労働契約が決して主流ではないのだ。

有期労働契約は契約期間が満了したから、契約更新をしないという形式の下で労働者の首を切る新自由主義の攻撃として国鉄分割・民営化を経て全面化してきた。

 有期労働契約は労働組合を作らせない、非正規雇用労働者を団結させないための予防反革命と言って良い。現在郵政非正規ユニオンの期間雇用の労働者にかけられているように、労働組合を結成したから雇い止めという不当労働行為を隠ぺいするために、3ヶ月の雇用期間が満了したから契約更新はしない。したがって解雇ではないし、労働組合の結成とは関係ないという論理で雇い止め解雇を行ってくるのだ。この論理がまかり通れば、非正規雇用の有期雇用の労働者は憲法で保障されている団結権も、労働法も適用されないことになる。

 

雇い止めの訴訟の判例で有名なのが東芝柳町工場事件(最一小昭和49年7月22日労判206号27頁)である。臨時工が期間2カ月の契約の更新を5回ないし、2、3回繰り返していたケースについて、仕事の中味が本工と大差が無い、期間満了で雇い止めされた例がほとんどない、期間満了の度に直ちに新契約の手続きを取っていたわけではない、等の理由から「あたかも期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態が存在」するとして、雇い止めが法的に有効か否かは解雇に関する法理を類推適用すべきと判断した。同様の事件で「日立メディコ事件判決」「カンタス航空事件」(東京高判平成13年6月27日労判810号21頁)等があり、「経済事情の変動により剰員を生ずるなど使用者においてやむを得ない特段の事情が無い限り、期間満了を理由として雇い止めをすることは信義則上許されないものと解するのが相当である」と判示し、雇用契約上の地位を確認し、未払い賃金の支払いを命じた。期間の定めた契約の第1回目の更新時の雇い止めでも「更新を拒絶することが相当と認められる特段の事情」が無い限り更新拒絶は信義則違反とする判例がある(竜神タクシー事件)。以上の判例が示す事は、期間満了に際して更新拒絶(雇い止め解雇)がなされる場合でも、労働契約法16条の解雇権濫用法理等が類推適用されるということだ。いわゆる整理解雇の4要件と言われる①人員整理の必要性②解雇回避努力義務の履行③被解雇者選定の合理性④手続きの妥当性が問題になる。期間が満了したから契約解除であると正当な理由なく、自動的に雇い止めできるわけではない。争えば勝てるのだ。

 

 戦前、年期労働契約(期間5年が典型)が紡績工場や風俗営業などにおいて前借金、損害賠償特約、人身拘束的寄宿舎などと共に身分的拘束関係の創出に利用された。そこで戦後の労働基準法は身分的拘束関係の防止のために年期契約における期限の長さの制限をはかり、「一定の事業の完了に必要な期間を定めるものの以外は」1年を超える期間の労働契約を禁止した。しかしブルジョアジーの労働契約の上限規制を撤廃・緩和を主張する動きの中で、1998年の労基法改正は限定的場合において期間3年の労働契約を許容する部分的な規制緩和を行った。更に2003年の労基法改正は期間の原則的上限を1年から3年とし、一定の専門的労働者および60歳以上の労働者については上限を5年とする大幅な規制緩和を行った。ここでは労働契約に期限を設ける場合の上限は3年であるが、特例として厚生労働大臣が定める基準に該当する高度の専門知識、技術または経験(専門的知識等)を有する労働者が当該専門的知識等を必要とする業務に就く場合、または60歳以上の労働者については、期間の上限は5年となるということである。この高度の専門的知識等の基準というのは「労働基準法第14条第1項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」(平15・10・22厚労告356号)として概略次のように定められている。博士の学位を有する者、公認会計士・一級建築士、特許発明の発明者、システムエンジニアとしての実務経験5年以上を有するシステムコンサルタントであって年収1075万円以上のもの等、極めて特殊な「基準」を満たすものの労働契約は5年まで認めるというものだ。したがって、JRのグリーンスタッフの5年を上限とする有期雇用契約は明らかに労働基準法第14条第1項第1号の基準に違反している。郵政非正規ユニオンのように闘う当該が登場すれば雇い止め解雇を許さない闘いは十分可能だ。

                                           全国協・事務局長 小泉義秀

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