第二回定期大会議案 2011/10/08

合同・一般労働組合全国協議会第2回大会議案 2011年10月8日

はじめに

 9・19は6万人のまさに70年安保闘争以来の歴史的大結集となりました。NAZENは1000人の動員で午前中に集会を勝ち取り、青年・学生の息吹で全体を牽引しました。福島は「怒」の旗を先頭に500の隊列で登場。9・19は、鎌田慧らの呼びかけによる原水禁・平和フォーラムなどの集会として設定されましたが、6万結集は主催者や既成労組幹部の思惑を超えて労働者の原発に対する怒りを体現し、階級闘争は新たな次元の闘いに入った事を示しました。9・11-9・19の地平をうち固めて11・6一万結集へ大進撃を勝ち取りましょう。その先頭に合同・一般労組全国協議会が立ちましょう。 
昨年国鉄闘争全国運動の結成集会の6月13日午前に、合同・一般労組全国協結成を準備するための会議を開催し、8月5日の広島の合同・一般労組の交流会と一体のものとして、前半を大会、後半を交流会として合同・一般労組全国協の結成大会を開催しこの1年闘いを進めてきました。8・5当日に全国協に加盟したユニオン、その後それぞれの大会・会議を踏まえて加盟を決定した労組含めて現在27労組約600名の全国協になっています。
 全国協は6月5日に第1回代表者会議を開催し、本日第2回大会を開催することになりました。

Ⅰ 総括

 反原発・反失業闘争―9・11、9・19から11・6へ

日本階級闘争・国際階級闘争は21世紀プロレタリア革命への前人未踏の階級決戦に突入しています。世界大恐慌と3・11以来の世界史的激動-革命的大動乱は果てしなくそのスケールを拡大しテンポを加速しています。帝国主義はその崩壊を前にあらん限りの災厄と腐敗を撒き散らし、破壊と破滅にひた走っています。11月1万人集会はこの帝国主義の最後の姿である新自由主義との一大階級決戦です。そうであればあるほど労働組合を巡る死闘に勝ち抜かなければなりません。
 9・11と9・19は野田民主党政権と日帝ブルジョアジーが福島の怒りを圧殺しあくまで原発再稼働―原発輸出に突進するのかを許すのか、再稼働阻止・全原発廃止かの根源的怒りを爆発させ、反原発闘争の全階級的革命的な発展を切り開くのかをかけた歴史的分岐をなす決戦でした。9月7日の読売新聞の社説が「展望なき『脱原発』と決別を」と日帝ブルジョアジーの原発を絶対に手放すことはないという強烈な意志を表明したように原発を巡り階級決戦が煮詰まってきています。「高性能で安全な原発を今後も新設していく、という選択肢を排除すべきではない」「核兵器の材料になるプルトニウムの利用が認められている。こうした現状が、外交的には、潜在的な核抑止力として機能していることも事実だ」(同社説)というのは、原発が無くなればプルトニウムを所持している合法的理由が無くなるから「脱原発」は容認できないという主張です。これが日帝ブルジョアジーの本音です。しかし9・11は労働者階級人民の原発に対する怒りはどんな大反動やごまかし、取り込みを持っても抑えることはできない事を示しました。9・11で国家権力は一大反動・弾圧をもって挑みましたが、逆に労働者階級人民総体と日帝ブルジョアジーの非和解化を促進しました。野田政権の登場とともに反原発闘争は当面の再稼働阻止を焦点に新たな段階に突入しています。福島を先頭とする巨万の労働者人民の怒りと一つになることで反原発闘争・日本の階級闘争の責任勢力、主道勢力の位置にわれわれを押し上げています。重要なことはNAZENと共に労働組合の旗を掲げること、労働組合の再生することに全情勢を変える力があることを示しています。反原発と反失業が本格的に一体化する、すなわち国鉄闘争と反原発闘争を一体的に推進し、11月集会に向かう奔流を作りだしつつあります。8・6広島で関西の日貨労の青年部がわれわれの集会に参加する事態が生まれ、栃木や埼玉、群馬でも東労組からわれわれのデモに部分的であれ合流する事態が生まれているのは、国鉄闘争が反原発闘争と一体となり国鉄労働運動、日本労働運動が決定的に塗り替えられ、大流動を生み出していることを示しているからです。
 こうして迎えた9・19はついに反原発闘争が巨大な大衆闘争としての爆発を開始しました。9・19は日本労働者階級が政府支配者階級の隠ぺいや嘘に怒りをつのらせ大失業に苦吟する青年労働者を先頭に必死の階級的決起を開始している事を示しました。9・19は「4・9反動」的な狙いが破綻し、労働組合の指導部の思惑を超えたまさに下からのランク&ファイルの決起が端緒とは言え起こり始めた事を示しています。特に日共スターリン主義が反原発を巡る亀裂を乗り切るために9・19に全労連参加をねじ込んできましたが、それは逆に日共スターリン主義の反原発と労働組合政策の破綻を暴くものとなりました。2011年8月25日の「毎日新聞」での志位と福島瑞穂との対談で志位は福島瑞穂の「共産党は核の平和利用について認めてきたんですよね」という問いに対し「わたしたちは核エネルギーの平和利用の将来にわたる可能性、その基礎研究までは否定しない。将来、2、3世紀後新しい知見が出るかもしれない」「現在の科学と技術の発展段階では『安全な原発などあり得ない』と言っています」と答えています。これまでの原発は問題があるが、これからの新しい原発は安全であるはずだという論です。日共スターリン主義の核平和利用論は基本的に変わっていないのです。したがって反原発闘争が高揚すればするほど、9・19のような集会に日共党員や全労連が参加すればするほど彼らの分裂と瓦解は促進されます。
国鉄闘争において動労千葉を先頭に国鉄闘争全国運動が4・9反革命、四四派の「政治和解」・1047名闘争解体の大反動を打ち破る闘いを貫いてきたが故に、今日の大失業と非正規の怒りの拡大と反原発の怒りが結合し、連合・全労連の支配を突き崩しはじめています。
 今求められていることは福島を先頭に6万をはじめとする巨万の労働者人民の怒りを共有し労働組合の再生と団結の根源からの総決起を実現することです。9・19に主催者が呼びかけた方針は3・24日比谷野音結集だけです。この秋の具体的闘いを打ち出し、11・6一万結集を呼びかけ、再稼働阻止をこの秋の闘いで実現していく闘いが決定的です。労働者は次なる方針を直ちに求めています。大胆に6万の労働者を11・6一万に組織しましょう。

この1年の闘いの総括―四大産別決戦を自らの闘いとして貫く

 第一に特筆すべきは6月10日に結成された郵政非正規ユニオンの闘いです。郵政非正規ユニオンは合同・一般労組全国協のはじめての産別合同労組であり、全国組織を目指しています。この郵政非正規ユニオンの齊藤裕介委員長に対して8月23日に、9月末日雇い止め予告通知がなされました。暴行・脅迫の挙句の雇い止めです。絶対に認めることはできません。あらゆる闘いを爆発させて反撃しなければなりません。最大の反撃は全国の我が全逓労働者が怒りの闘いを爆発させることです。合同・一般労組全国協としては絶対に郵政非正規ユニオンの分会を各地に作り、郵政非正規ユニオン一千建設をやり抜くことです。齊藤委員長を先頭に郵政非正規ユニオンの仲間は断固として不屈に闘う意志を固めています。8月31日は労働委員会の第1回調査が入り、第2回調査は10月13日です。8月31日の第3回団交と第1回労働委員会調査の場で郵政当局は、大工原課長の『この屑が、アルバイトの分際で組合なんか作りやがって』という暴言・暴行は無かったと述べました。白を黒と言いくるめる暴挙です。怒りを込めて反撃していかねばなりません。労働委員会においては齊藤委員長に対する不当労働行為の追加申立てと、被申立人の答弁に対する反論を含む、論点整理をして闘いに挑みます。労働委員会闘争は不当労働行為を巡る争いであるため、その点は最大限緻密に立証していかねばなりません。しかし、今回の労働委員会闘争での争いの根底に「雇い止めという雇用形態そのものが不当労働行為性を持つ」という論点を掲げました。すなわちそれは郵便事業会社の就業規則そのものを不当だとする闘いであり、有期労働契約そのものの在り方を問題にする闘いです。現段階では労働者委員もせせら笑うほどの唐突なものと言えます。しかし、これが本格的に争われ全国的な非正規雇用労働者の闘いの軸に座った場合、そういうものでなくなると確信しています。厚生労働省が昨年三月に発表した「有期労働契約研究会第14回報告」によれば雇い止めを行ったことのある企業は3割で後の7割は雇い止めをしたことが無いとのことです。雇い止めという雇用形態はJRや郵政、自治体、教組など四大産別に集中しており、国鉄分割・民営化と一体の労働組合解体の手段となってきたことは明白です。
 齊藤委員長らの雇用契約は半年とか3ヶ月の期間雇用です。就業規則では会社が必要と認めた時に雇用期間を延長する場合がありますが、再契約がなされないとそのまま契約が切れるという形で雇用関係がなくなるわけです。資本の側はこれは解雇ではなく契約が切れただけだと主張します。しかし労働組合法はこのような小間切れの雇用契約を前提にしているでしょうか。労組法7条の不当労働行為の条項は3ヶ月で自動的に首が切れる雇い止めを前提にしているでしょうか。資本は労働組合の委員長だから契約を更新しなかったわけでは無く、3ヶ月の雇用契約が切れた時点で更新をしなかっただけだと主張します。労働組合の委員長であるか否かとは関係が無いと。しかしそうであれば3ヶ月雇用の期間契約の労働者は労働組合を作ることも、加入することもできません。団結権があらかじめ奪われていることになります。したがって雇い止めの雇用形態、それを容認している就業規則そのものが不当労働行為だというのが、その論理です。解雇は馘首とも言います。労働者を殺すということです。雇い止めの雇用形態は、死刑執行の日が決まっている死刑囚のようなものです。3ヶ月後に処刑されなかった場合は死刑執行が猶予されたにすぎなく、また3カ月後に死刑執行されるという恐怖を抱きながら就労することになります。死刑は猶予されることなく執行されるのです。これが雇い止めという雇用形態です。この雇い止めという雇用形態が新自由主義によって助長され、象徴にまでなったのです。新自由主義の雇用形態の最たるものが派遣法と雇い止めです。これと真っ向から対決する非正規職撤廃の闘いの軸に『雇い止め雇用形態』そのものを粉砕する闘いを据えたいと思います。(一部略)
以上の闘いは全部が四大産別における闘いです。合同・一般労組は国鉄1047名の解雇撤回、国鉄闘争全国運動の最先頭に立ち、自らが四大産別決戦を闘う路線を掲げてきましたが、2011年前半は文字通りそういう闘いを具現化してきたのです。従来の中小零細の民間企業での組織化と闘いの上に四大産別の民営化、非正規職化との攻防が最焦点化してきました。上記4つの闘いは自治労やJP労組が闘わないばかりか、民営化・非正規化・首切り、賃下げに率先協力している中で起きていることです。合同・一般がその中で登場しているのは必然です。しかし問題はわれわれはJP労組や自治労の裏切りをこのまま許して、合同・一般労組がそれに代わって闘おうと考えているわけではありません。郵政非正規ユニオンの決起は非正規労働者が自ら非正規職撤廃の闘いの先頭に立つとともに、JP労組本体の労働者の決起を促しているのです。郵政における非正規労働を撤廃させる闘い、全産別の非正規雇用撤廃の闘いはJP労組本体の労働者の決起なくしては不可能です。動労千葉の外注化阻止、偽装請負を許すなの闘いは非正規雇用を生み出す根源の闘いであり、そのメダルの裏側に非正規雇用労働者の雇い止め阻止、非正規職労働者の闘いがあるのです。この両者が一体となって闘い抜く中に派遣法撤廃、非正規職撤廃の闘いがあります。JP労組においても、自治労においてもこの動労千葉のような闘いを正規職労働者の闘いとして貫き、その裏側に合同・一般労組の四大産別における組織化と闘いがあるのです。呉市営交通の広電への『民間移譲』の協定書に名を連ねている都市交の中央執行委員長は東交出身です。東交出の委員長がこういう協約を結ぶということは次は東交のバス部門が民営化され、その次は東交がメトロと統合という形で民営化され、生首が飛ばされる事態になるのです。したがって呉交通の問題は東交の問題であり,都労連、自治労全体の闘いにならねばなりません。このことは交流センターにも言えることです。呉公営交通の闘いを広島連帯ユニオンだけに委ねていてはなりません。自治体労働者部会、労組交流センターが全力を挙げて闘わねばならない闘いです。これはまさに国鉄分割民営化・社会保険庁型の攻撃だということ。したがって国鉄1047名の解雇撤回、国鉄闘争全国運動の闘いが一切の中心軸に座らなければならないのです。4・9反革命があり、呉公営交通の民営化攻撃があるのです。

被災現地の仲間と固く連帯して反原発・反失業を闘い11月1万結集の先頭に

 福島労組交流センター代表の「世界の」渡辺馨さんは5・15の全国労組交流センター拡大運営員会で次のように述べました。「福島も一週間は思考停止だった。今すぐ逃げろということが交流センター会員間で行われた。電話を掛けまくった。新潟とかへ子供を逃がそうと。でもこれは違うんではないかと考えた。動労千葉声明をよみ合わせ、不安を語りあった。逃げるのではなく、俺たちが声をあげていくしかない。」福島の仲間はこういう壮絶な議論をして今日の闘いを切り開いてきたのです。○○分会の組織化と闘いも、ふくしま合同労組市川委員長が先頭に立って成功を勝ち取った6・19福島集会・デモも「逃げる」という方針からは生まれませんでした。宮城連帯ユニオンの闘いも同様です。われわれは福島現地の仲間と固く連帯し、彼らの行ってきた議論に踏まえて反原発・反失業の闘いを貫くことが重要です。われわれは福島のお母さんたちの闘いと要求、農民・漁民・林業の労働者あらゆる人々の原発・放射能に対する怒りと要求を全面的に支持します。しかしわれわれが掲げる要求・方針は全体的な全労働者階級人民の普遍的な要求と闘いを体現しなければならないと思います。(一部略)。核心は労働組合の復権です。合同・一般労組が正規・非正規・失業者、あらゆる労働者を組織化して、11月1万結集を実現しましょう。東北石鹸労組の解雇された仲間が就職した先のエドウィンで事業所閉鎖の攻撃がかけられたという報告が8・5の交流集会で報告されました。3年にもならないうちに二度も解雇されるという事態です。これが3・11情勢であり、震災解雇はこれからです。雇用保険が切れて大量の労働者ガ街頭へ放りだされます。そこへ「復興特区」攻撃がなされます。新自由主義との真正面の本格的死闘はこれからです。難民として滞日し非正規労働・奴隷労働を強いられている労働者の怒りを共有し、9・28午後品川入管へのデモ、9・29夕方郵政本社の怒りのデモを発展させ、全ての闘いを11月へ。全ての闘いを組織化へ結びつけ闘い抜きましょう。

Ⅱ 情勢

 世界大恐慌は本格的な爆発過程に突入しました。米帝の没落、EUの解体、日帝の脱落、中国バブルの歴史的崩壊。この4つの指針の全てにわたり、この数ヶ月間激烈な変化が生じています。起きていることはこの間の大恐慌対策=財政・金融政策の歴史的破産であり、ドル体制崩壊への行進の開始と世界経済の分裂化の深化です。この大恐慌は帝国主義が蓄積した過剰資本・過剰生産力を全面的に破壊し、「ドル本位」的なこれまでの世界経済編成を暴力的に解体・再編する方向にどこまでも突き進むしかありません。
 「ドル本位制」の下では米は貿易収支・国際収支の赤字をどんなに積み上げてもそれを決済する必要がありませんでした。これを前提にして新自由主義の野放図な世界的展開がなされ、破壊的な構造をもったバブル経済を行ってきたのです。米国債の格付け引き下げは、ドルが決済通貨として扱われる事を否定する事態であり、「ドル本位」制の破産を意味します。欧州危機はドルの安定性との関係でこれまで持ってきましたが、ドルの動揺により弱いところから崩れ始めたのです。ギリシャのデフォルトは不可避です。ギリシャの国債利回りは取引不能な急上昇となり、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場でギリシャ国債の破綻確率はほぼ100%に跳ね上がりました。イタリアの国債(10年物利回り)が5・7%に上昇していますが、これは国債価格の凄まじい下落です。ドル暴落、米国債紙くず化と、世界経済の破滅に向かう暴走局面に入ったということです。
 米の大恐慌もこれからです。QE2の破産は恐慌対策の止血措置が効かなくなくなったことを意味します。リーマンショック後の金融機関の膨大な不良債権が何ら解決されていない矛盾がこれから噴出します。
 米の大独占を助けてきたのが中国バブルでした。QE2によってばらまかれたマネーの洪水が中国に流れ込み、バブルが引きずられてきました。中国のバブルが米・GMの輸出先となってきたのです。しかし米はこれ以上財政赤字を増やす事はできません。中国への輸出も目に見えて減りつつあります。最大の問題は失業問題です。雇用が増えない中で大独占だけが儲ける構造にあります。米はQE3に突入するしかないけれども、それができない危機にあるということです。
 米帝の絶体絶命の危機と欧州恐慌の危機が切迫しています。欧州金融恐慌はリーマンショックよりも激しい状況を引き起こし、帝国主義の協調体位性が取れない時代に突入します。欧州の経済崩壊は中国経済のバブルを最終的に壊滅させ、この激動はドルの大暴落とドル体制の根本的崩壊、世界経済の分裂化ブロック化を必ず引き起こすでしょう。
 この帝国主義世界体制の最弱の環が日帝であり、福島原発事故が日帝の絶望的危機を一層加速しています。13日、国会開会で行われた野田の所信表明演説は、初めから「危機の中で公に尽くす覚悟」を押しつけ、「原発については……再稼働を進めます」としました。
 さらに野田は、「新成長戦略の加速」「郵政改革関連法案の早期成立」「国家公務員制度改革関連法案の早期成立」「日米同盟は公共財」「TPP(環太平洋経済連携協定)は早期に結論」と述べました。その強行のために「私が主宰する新たな会議体を創設する」と、菅政権以上に反動的な政権をめざすことを宣言しています。この根底に経団連が5月27日に発表した『復興・創生マスタープラン』があります。野田はこのマスタープランを実行に移すための首相として登場したということです。このプランの核心は「震災復興特区」導入による労働基本権解体=憲法停止であり、労組破壊-外注化・民営化による9割非正規化の貫徹です。特例措置の例として①36協定限度時間の緩和、②特別条項に定める時間外労働時間の延長時間の緩和、③1年単位の変形労働時間制の弾力的運用、④期間の定めのある労働者の雇用期間上限緩和、⑤労働者派遣法における専門26業務に関する弾力的運用を掲げています。更にPPPによる被災地丸ごとの民営化攻撃が構想されています。「一方で財政の健全化が焦点となる中、公的部門のみで被災地の膨大なニーズを満たす事は不可能である」として「復興のコスト負担を見直すとともに将来にわたり持続可能な効率的運営を実現するためにも、PFI(Private Finance Initiative)指定者管理制度、民間委託に加え、従来の発想を超えた新たな制度を含め、PPP(Public Private Partnership)を通じて、民間の知恵や活力をこれまで以上に活用すべきである・・・民間にとってのインセンティブとなるよう、広域、多分野にわたる事業の包括発注、官民の適切なリスク分担、予算の弾力的運用、税制上の優遇措置(被災地のPFI 事業を行うSPCの法人税減免措置等)などが求められる」と打ち出しています。更にアジア並みの賃金にすることを要求しているのが「日本経済の創生」のなのです。「特にアジア各国との立地コストを比べると、日本は事業を運営していく上で極めて高いコストがかかっていることが分かり、これらの改善が急務である」「政策的に可能な立地コストについて他国と遜色のない水準にまで思いきって引き下げることで産業の立地競争力を高めていくことが求められる」
 この復興特区構想は被災地にとどまるものではありません。被災地で実現したことを全国的に展開し、95年の日経連プロジェクト報告で打ち出された9割非正規化の道を開こうとしているのです。 
 日本において新自由主義への転機をなした1995年の日経連のプロジェクト報告「新時代の日本的経営」が出された翌年には、雇用人口4776万人(うち非正規雇用971万人)でGDPは505兆円でした。これ以降、非正規職化と賃下げが拡大し、定年後の就労や夫婦共働きが広がりました。2010年、雇用人口は5511万人になり、GDPは479兆円に縮小したのです。
 9月30日の朝日新聞は「被災地自治体 復興特区に」との見出しで「野田政権の復興特別区域(復興特区)法案の全容が29日判明した。東日本大震災の復興に向け、被災した221市町村を対象に特区に指定し、特例措置で早期復興を促す内容だ」とあります。法案の全容はまだ分かりませんが、9月16日に発表された「経団連成長戦略2011」が全面的に反映されたものであることは明らかです。復興特区についてここでは次のように記されています。「復興特区を活用し、前例にとらわれない思い切った税・財政・金融・規制・行政上の措置を講じていくことが重要となる。…将来的には、被災地を持続的に発展させることを可能とするとともに。復興特区で生まれた成功事例を、同様の課題を抱える国内外の他地域・産業にも展開していく」
 国内だけでなく、国外にも復興特区を拡大するというのです。原発については「順次速やかに再稼働させていくことが重要である」とし、さらに原発をアジアに積極的に輸出していく攻撃的姿勢を露わにしています。
 震災解雇・有期雇用の雇い止めが社会問題になっていることに対しては「近年、労働者派遣法の改正案の国会への上程に加え、有期労働契約及び高齢者の雇用の規制強化に向けた議論や、最低賃金の大幅な引き上げなどがなされている。このような過度の労働規制強化は、国内事業環境をさらに悪化させ、雇用の減少につながる恐れが強い」と非正規雇用労働を促進する意思を明らかにしています。最低賃金が大幅に引き上げられた事実はないにも関わらずこのように書いているのは許し難い事です。
 8月29日に出された厚労省の発表では、非正規雇用率は38・7%です。非正規労働者が2千万人を超える恐るべき事態です。9月14日には、「有期契約労働者の74%が年収200万円以下」と発表されました。もはや年金・医療・教育も崩壊寸前です。
 多くの労働者が定年後も死ぬまで働かされ、そして家族全員が働かなければ生活できない状態に追い込まれています。しかも働く場もないほどに経済規模が縮小しているのです。だから資本家は労働者をこれほど安くこき使っても、なお利益も出せないまさに「終わりの終わり」の資本主義です。
 6日、イタリアで欧州ゼネストの先陣が切られました。人口775万人のイスラエルで60万人規模のデモが続き、南米チリでこの3カ月間、ストとデモが続発しています。
 世界中で「革命をやろう」の声があふれています。野田政権の福島圧殺攻撃をはね返して、福島の闘いと連帯して決起しましょう。

Ⅲ 方針

1、11・6一万結集の最先頭に合同・一般労組全国協が立とう

 それぞれの合同・一般労組の分会・職場における資本との攻防を闘い抜き、組織を拡大し11月集会への結集を勝ち取りましょう。6・5の第一回代表者会議では10・8の第二回大会までに1000名の組織拡大をと訴えました。1000名建設はまだ実現できていませんが、郵政非正規ユニオンの結成をはじめ、全国で組織化の闘いが進んでいます。地を這うような、あるいは「二歩前進一歩後退」の厳しい闘いが続いてはいますが、全国協は確実に組織を強化・拡大しています。東京西部ユニオン鈴木コンクリート分会は解雇当該である田口組合員の死という事態に直面しながら、あくまで田口組合員の解雇撤回と謝罪を求め、9月27日には全1日のストライキを貫徹し闘いぬいています。9月28日の西部ユニオンの大会にはNTT関連の労働者も結集し解雇撤回の闘いに立ちあがりました。9・11-9・19反原発の闘いの中から生み出された組織化と闘いです。

2、全国協1千名建設を早急に実現しよう

 ①郵政非正規ユニオンの支部・分会を合同・一般労組と全逓労働者部会の仲間と地区交流センターが一丸となって組織しましょう。郵政非正規ユニオンの『支える会』の会員を拡大し、齊藤委員長をはじめとした雇い止め解雇を撤回させよう。

 ②反原発の闘い―労働者の怒りを組織し11・6へ。
  東京東部で「放射能問題を考える下町ネットワーク」を結成し、江戸川区の放射能はたいしたことはない「講演会」を弾劾する集会・行動を行い、その闘いの一環として江戸川区への質問書を出し、回答を引き出しました。この回答たるや行政と江戸川区職労の幹部の問題を暴きだすものとなりました。この怒りを11・6の組織化、合同・一般労組の組織化に結びつける闘いが求められています。江戸川区の回答は江戸川保険所予防課感染症第2係の沖山一郎という江戸川区職労保険所分会の分会長が行政の専門家の立場で回答したものですが「中川恵一准教授は学習会で年間10ミリシーベルト以下では『発がんが増えることはない』と述べられていますが、私たちは現段階における低線量放射線の基準を考える上で大変重要なご指摘と受け止めています」と御用学者中川の回答を肯定する見解を出してきました。さらに「低線量放射線は有害ばかりでなく人体にとってプラスの影響をもたらす(ポルミシス効果)という考えがあります」「細胞のDNA修復機能や修復不能の細胞のアポトーシスによるプログラム・・・」云々と続きます。これは「放射能問題を考える下町ネットワーク」というホームページに質問書と回答が全部でていますので検索してください。沖山が述べているのは低線量の放射能は人体に良い影響をもたらすから、放射能を浴びるのは良いことだと言っているのです。更に人間には細胞の修復機能があり放射能を浴びても大丈夫だと言っています。同時に修復不能の細胞は自爆する機能も持っているから大丈夫だというのです。これが御用学者が書いている教科書に出ている事で、こういう輩が行政の専門家として前面に出て来ているのです。これは対行政との闘い以上に、労働組合の問題だということです。質問書を提出した区民・お母さんは怒っています。この怒りを11・6へ組織し、ユニオンの組織化に結びつけていくことが必要です。

3、有期労働契約―「雇い止め」雇用契約のあり方そのものを粉砕する闘いを非正規雇用撤廃の合同・一般労組の闘いの中心軸に

 厚生労働省労働基準局長の委嘱を受けて2009年から12回にわたり検討してきた「有期労働契約研究会 中間取りまとめ(2010年3月17日)」によれば、「有期契約労働者は1985(昭和60)年の437万人から2009(平成21)年には751万人(雇用者総数の13・8%)に量的に増加し、また特にこの間の2000(平成12)年から3年ほどその増加のピッチが上昇した後、高止まりしている」(「労働力調査」)。しかしアンケート調査によれば「7割の事業所は雇い止めを行ったことは無い」(同3頁)といいます。有期労働契約が決して主流ではないのです。9月16日の朝日新聞は有期雇用問題で特集を組み、23日には郵政非正規ユニオンの齊藤委員長が登場しました。雇い止めという雇用形態のあり方の問題が焦点化している事を示す記事です。
有期労働契約は契約期間が満了したから、契約更新をしないという形式の下で労働者の首を切る新自由主義の攻撃として国鉄分割・民営化を経て全面化してきました。
 有期労働契約は労働組合を作らせない、非正規雇用労働者を団結させないための予防反革命と言って良いと思います。現在郵政非正規ユニオンの期間雇用の労働者にかけられているように、労働組合を結成したから雇い止めという不当労働行為を隠ぺいするために、3ヶ月の雇用期間が満了したから契約更新はしないというのです。したがって解雇ではないし、労働組合の結成とは関係ないという論理で雇い止め解雇を行ってくるのです。この論理がまかり通れば、非正規雇用の有期雇用の労働者は憲法で保障されている団結権も、労働法も適用されないことになります。
雇い止めの訴訟の判例で有名なのが東芝柳町工場事件(最一小昭和49年7月22日労判206号27頁)です。臨時工が期間2カ月の契約の更新を5回ないし、2、3回繰り返していたケースについて、仕事の中味が本工と大差が無い、期間満了で雇い止めされた例がほとんどない、期間満了の度に直ちに新契約の手続きを取っていたわけではない、等の理由から「あたかも期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態が存在」するとして、雇い止めが法的に有効か否かは解雇に関する法理を類推適用すべきと判断しました。同様の事件で「日立メディコ事件判決」「カンタス航空事件」(東京高判平成13年6月27日労判810号21頁)等があり、「経済事情の変動により剰員を生ずるなど使用者においてやむを得ない特段の事情が無い限り、期間満了を理由として雇い止めをすることは信義則上許されないものと解するのが相当である」と判示し、雇用契約上の地位を確認し、未払い賃金の支払いを命じました。期間の定めた契約の第1回目の更新時の雇い止めでも「更新を拒絶することが相当と認められる特段の事情」が無い限り更新拒絶は信義則違反とする判例があります(竜神タクシー事件)。以上の判例が示す事は、期間満了に際して更新拒絶(雇い止め解雇)がなされる場合でも、労働契約法16条の解雇権濫用法理等が類推適用されるということです。いわゆる整理解雇の4要件と言われる①人員整理の必要性②解雇回避努力義務の履行③被解雇者選定の合理性④手続きの妥当性が問題になります。期間が満了したから契約解除であると正当な理由なく、自動的に雇い止めできるわけではありません。争えば勝てるのです。
 戦前、年期労働契約(期間5年が典型)が紡績工場や風俗営業などにおいて前借金、損害賠償特約、人身拘束的寄宿舎などと共に身分的拘束関係の創出に利用されました。そこで戦後の労働基準法は身分的拘束関係の防止のために年期契約における期限の長さの制限をはかり、「一定の事業の完了に必要な期間を定めるものの以外は」1年を超える期間の労働契約を禁止したのです。しかしブルジョアジーの労働契約の上限規制を撤廃・緩和を主張する動きの中で、1998年の労基法改正は限定的場合において期間3年の労働契約を許容する部分的な規制緩和を行いました。更に2003年の労基法改正は期間の原則的上限を1年から3年とし、一定の専門的労働者および60歳以上の労働者については上限を5年とする大幅な規制緩和を行ったのです。ここでは労働契約に期限を設ける場合の上限は3年であるが、特例として厚生労働大臣が定める基準に該当する高度の専門知識、技術または経験(専門的知識等)を有する労働者が当該専門的知識等を必要とする業務に就く場合、または60歳以上の労働者については、期間の上限は5年となるということです。この高度の専門的知識等の基準というのは「労働基準法第14条第1項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」(平15・10・22厚労告356号)として概略次のように定められています。博士の学位を有する者、公認会計士・一級建築士、特許発明の発明者、システムエンジニアとしての実務経験5年以上を有するシステムコンサルタントであって年収1075万円以上のもの等、極めて特殊な「基準」を満たすものの労働契約は5年まで認めるというものです。したがって、JRのグリーンスタッフの5年を上限とする有期雇用契約は明らかに労働基準法第14条第1項第1号の基準に違反しています。郵政非正規ユニオンのように闘う当該が登場すれば雇い止め解雇を許さない闘いは十分可能なのです。

4 派遣法・非正規職撤廃の闘いをいま一つの柱に

 非正規雇用を生み出した典型的法律が派遣法ですが、国鉄分割・民営化をテコとして、戦後労働法制改悪が進行してきました。それら全部が一体となって非正規雇用を促進してきました。1985年の派遣法と同時に制定された男女雇用機会均等法は男女平等をうたい文句にしながらそれまでは例外的にしか認められていなかった女性の深夜労働を全面解禁しました。
1995年の労働問題研究会報告は正規職は1割で良い、9割の労働者を非正規化するという宣言でした。2001年の商法の改正による「会社分割法」は分社化を容易にし、労働者を転籍させてその後労働条件を引き下げる手法で、民営化・外注化・分社化を促進させてきた法律です。ホワイトカラーエグゼンブションは年収の高いホワイトカラーに限り8時間労働の規制を取り払うという法律ですがこれは棚上げになったままです。
2008年の労働契約法は労働組合による団体交渉による解決でなく、個人と資本との個別契約関係に労使関係を切り縮め、資本が労働者を解雇した場合、解雇撤回・原職復帰ではなく、金銭で処理するしかなくなるような法律解釈に道をひらいた法律です。これら非正規雇用を促進する法律は労働組合が闘わないことよって進められてきたといえます。しかし他方、動労千葉を先頭とする国鉄1047名の解雇撤回闘争が、民営化・非正規化の急速な全体化を阻んできたのです。
「もともと労働者派遣というのは、ごく一部の特殊な技術力をもった労働者以外は禁じられていた。普通の労働者に拡大すると、今のように労働者を徹底的に低賃金でこきつかうことになってしまう。だから、労働者派遣法という法律は、ごく一部の職種に限られていました。例えば製造業、自動車や電機の組み立ては禁じられていたのです。港湾労働者もそうです。ピンハネが起こるからです。これは労働者派遣法で何よりも禁じられていた事です。ところがここ10年くらいで派遣法が次々に改悪され、製造業務への派遣も04年から可能になった。それまでも“偽装請負”という形で、事実上の派遣が行われてきたが、全面解禁になったわけだ」(新版『甦る労働組合』中野洋著27~8頁)
「工場法」以来の労働法は国家による法的強制によって制限しなければ資本の略奪力は「国民の生命力の根源を侵す」程に無制限なものだからです。そうしないと資本は労働者を絶滅させてしまいかねなかったのです。工場法は、労働者の闘いが勝ち取ったという側面と、労働者の闘いを資本主義の枠内に抑え込む「くびき」の役割を果たしてきました。
労働基準法6条は「何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない」と定められています。戦前に多く見られた不当な中間搾取・ピンハネをしてきた親分的な労務供給事業や募集人制度等を取り締まるために労働基準法を制定する過程で労働者代表委員の強い要望で規定された条文です。職業安定法第44条も同様の趣旨で雇用関係への業者の介入は原則禁止されてきました。戦後40年もの間何故派遣法のような法律が禁止されてきたのかを良く考えなければなりません。労働者派遣法はこの基本原則をぶち壊したのです。労働者派遣法は戦後労働法を根底から破壊するものです。例えば手配師は10人の労働者を15万円で集めてくるよう元請けの企業から依頼されます。手配師は一人当たり7000円を自らの懐に入れて、10人で7万円の中間搾取・ピンハネを行います。手配師がヤクザである場合も多々あるのです。派遣会社はこの手配師が会社組織になったようなものです。通常の賃労働と資本の関係における搾取とピンハネという二重の搾取を行うのが派遣労働という形態です。
労働者派遣法「改正案」は先の通常国会に提出されたましが、継続審議になり、2010年10月の臨時国会で審議される予定でしたがそのままになっています。閣議決定直前に問題となったのは、厚労省案にあった「事前面接の禁止の解禁」でした。当時社民党党首の福島瑞穂が『解禁』に反対したため厚労省は案からこの部分を削除したのです。この削除については労使合意で決めたものを閣議でひっくり返したのは許せないという論調で「連合・財界共に不快感」と商業新聞で報道されました。派遣企業による事前面接は派遣労働が自由化された1999年に禁止されています。派遣先企業が容姿や年齢で差別して採用をより好みしないようにするための禁止条項です。しかしこの禁止条項には罰則がないため、現実には事前面接は一般に行われてきました。派遣法は「抜け穴」がいくらでもあり、事前面接解禁問題は派遣法の根幹にかかわる問題ではないということを指摘しておきたいと思います。派遣法は全面的に撤廃する以外にありません。派遣法が存在する限り、非正規雇用はなくなりません。派遣法撤廃=非正規職撤廃=資本主義社会の廃絶です。
「だから『非正規職闘争』というのは、非正規職の労働条件を改善することだけを言うのでなく、非正規職を正規職化することだけに限られるわけではない。非正規職を作りだしたこの社会を作り直すことこそ真の『非正規職闘争』だ。この闘いをとおして共同で残さなければならないのは『労働者の階級性』だ」(『熊たちの434日 終わっていないニューコア労働者の闘争(抄訳)』(クォン・ミジョン編著)15頁)
「非正規職が存在するのはやむを得ないと考えてしまったら、非正規職の処遇改善に関心が向かうほかない。資本の利潤獲得を当然のものとして認めてしまったら、結局労働者に対する最少費用という考え方を認めざるを得なくなる」「非正規職問題のゴールは『正規職化』ではなく、構造調整を粉砕し、資本主義を変えることであり、自由主義反対闘争の主体をつくることである」(16頁)という一節は教訓的です。
日本においても連合・全労連・全労協をはじめ非正規職の処遇改善、「非正規職を正規職に」というスローガンを掲げる労働組合は存在します。自治労も非正規職労働者を組織して処遇改善の闘いを行ってもいます。しかし、前記クォン・ミジョンさんの文章を引用するならば、“非正規職の存在をやむを得ないものとしての処遇改善”であったり、“資本の利潤獲得を当然のものとして認めた”上での組織化であるから、それは非正規職を容認したうえでの、取り込み・抱え込みでしかありません。彼らは資本と一体となりセーフティネットが必要だともいいます。しかしセーフティネット論は解雇・リストラ、外注化、非正規化拡大が前提になっています。解雇され、リストラされて落下してくる人を網で救おうというのがセーフティネット論です。重要なことは解雇・リストラ、非正規化・外注化を許さない闘いです。動労千葉のように国鉄1047名の解雇撤回を貫き、外注化、さらなる民営化を許さない闘いこそが必要なのです。この闘いと一体のものとして非正規職撤廃、派遣法撤廃の闘いがあります。
労働者派遣法改正案について「今歴史上初めて規制が加えられようとしている。このことは運動の成果であると評価すべき」との意見があります。しかし、改正案の内容は、登録型派遣、製造業派遣の「原則禁止」どころか、横行する派遣切りを合法化し追認するものでしかありませn。派遣法改悪は国鉄1047名の解雇撤回闘争を破壊しようとした「4・9政治和解」と一体であり、新自由主義攻撃そのものです。違法派遣・派遣法の脱法化の実態を合法化して、資本の直接のむきだしの支配を持ってこようとするものです。しかしそれはまたその支配に対する労働者の闘いを激化させるのです。
国鉄分割・民営化攻撃と一体のものとして、新自由主義の攻撃の根幹にあるのが派遣法です。民営化、子会社化、外注化と一体で派遣法が使われてきました。しかし、派遣法ができたから非正規雇用労働者が増大したわけではありません。労働組合が屈服し、資本に率先協力し、不安定雇用労働者の増大に加担してきたからです。動労千葉は9月29・30日に検修外注化阻止のストライキをうちぬき、10月1日からの外注化を阻止しました。ストライキを構える前にすでに10月1日からの外注化は破産していましたが、動労千葉は白紙撤回を求めてストライキに立ったのです。こういう非正規化を許さない闘いが決定的なのです。
1960年代後半に米国から日本に入ってきた派遣事業は1970年代になって秘書、受付・テレックスオペレーターなどの業務に拡大し「事務請負サービス」などと呼ばれました。これは事務労働に広がる「偽装請負」です。労働省は1979年になって初めて「職業安定法に違反する労働者供給事業が拡大している」との認識に立ち、調査に乗り出します。しかしこの偽装請負は事務業務に浸透していて、派遣法はこの違法を追認し合法化する形で制定されました。
労働者派遣法は1985年に成立、86年に施行されました。当初は秘書や添乗など専門的な13業種に限って認められていましたが、96年に対象業務を26に拡大、99年には製造業を除いて対象が原則自由化されました。2004年には従来禁じられていた製造業にも1年を上限に派遣が解禁され、07年には上限は3年にました。2004年を前後して「日雇い派遣」「スポット派遣」が市場を凌駕し始めます。「常用雇用の代替にならない」「専門的職能を持った労働者を対象にするから派遣という仕組みでも劣悪な労働市場にならない」という立法時の方便は嘘であることが明らかになりました。製造業への派遣の解禁は、正規を非正規に置き換えると同時に、派遣労働者の賃金引き下げをもたらしたのです。2004年から2006年の3年間で派遣料金は7・1%減、賃金は7・8%減となっています。契約期間も3か月未満の派遣契約は一般労働者派遣事業で81・8%に上る。3人に1人が非正規社員です。
総務省統計局の労動力特別調査によれば2010年1~3月期の正社員と非正規社員の数は正社員3363万人、非正規社員1708万人であり、3人に1人が非正規雇用労働者です。非正規社員の比率は派遣法が施行された1986年頃は16%台でしたが、2008年には34%を超えました。青年労働者の非正規率は二人に一人が非正規であり、パート・アルバイトの9割は年収200万未満です。25~34歳の青年労働者の非正規雇用は1995年~2009年までの間に4・3倍も増加しています。
非正規雇用は①短時間性、②有期性、③間接雇用性の一つまたは複数の組み合わせによっています。「通常の労働者以上に長時間(3000時間以上にわたって)働く複合就労労働者がいる。複数の事業所(場合によったら5~6か所にも及ぶ)をかけもちで働くが、一つひとつの労働契約が週20時間以下である場合には、雇用保険も健康保険も適用対象外となる。
長時間労働の原因は、低賃金であり、女性パートタイム労働者の平均時給で、複数の育ち盛りの子供を育てるのに支給される生活保護給付(生活扶助・医療扶助・教育扶助・住宅扶助・その他の扶助)水準を得ようとすれば、3000時間をはるかに超える労働をしなければならない。複合パート就労の最大の問題は、生きるために死ぬほど働かなければならないという低賃金」なのである。(『雇用形態多様化と労働者の健康』矢野栄二編著 「第4章 労働の商取引化と労働者の健康・安全」中野麻美著 79頁)
非正規雇用労働が労働者を殺し、病気に追い込んでいます。
『消費税のカラクリ』(斎藤貴男著 講談社新書 2010年7月20日第1刷)の著者斎藤貴男は消費税が10%によれば「失業率が10%、年間自殺者も5万人を超えるだろう」と述べています(2010年7月10日 東京新聞)。日本の年間自殺者3万人という数字が2009年まで連続して続く発端が消費税が3%から5%に引き上げられた1997年の翌年からであることは偶然ではありません。消費税の滞納をとりたてられた中小零細業者がそれを理由に自殺しているケースがたくさんあるのです。消費税が倍に跳ね上がればそれが加速するのは火を見るより明らかです。さらに斎藤貴男は非正雇用増大の原因に消費税があると指摘しています。正社員に支払われる給与は消費税の「仕入税額控除」の対象になりませんが、派遣社員らへの報酬は控除の対象になります。つまり非正規雇用の割合を増やせば、その分消費税の納付額が減るのです。正社員を非正規に置き換えるのは人件費の削減が主たる目的ですが、消費税の納付節約にもなるからです。派遣社員への切り替えで消費税納入額が7百万減らせた会社の例が登場します。さらに以下のような記述もあります。「ある大手の証券会社は消費税が導入される半年前、自社関連の人材派遣や管理事務の受託を主な業務とする子会社を設立し、7百人の社員を移籍させた。昨年には子会社を分社化している。この手続きによって、運用しだいでは証券会社は年間数億円の消費税を節約できる計算になる」(同122頁)「消費税法には資本金が1千万に満たない法人は、設立後の2年間は売上高の如何にかかわらず納税を免除される規定がある」(同116頁)ため、派遣子会社の設立・閉鎖、また設立という目まぐるしく繰り返される手法が続くのです。だから消費税の増税は派遣労働者などの非正規雇用を拡大し、失業者増大させることになるのです。
『資本論』では資本主義の勃興期に女性の深夜労働や児童労働の実態が暴かれています。この時期を「自由主義」と言います。資本が無制限無制に労働者を搾取しました。英国の労働者街では男性の平均寿命が35~6歳。女性の深夜労働による母性の破壊や児童労働の酷使は労働者が死滅してしまうかもしれない状況でした。工場法は労働者の闘いもありますが、国家による規制をしないと資本は労働者を絶滅してしまう可能性があったがゆえに制定されたのです。新自由主義というのは労働基準法などの「労働者保護法」を撤廃し、工場法以前に戻せというものです。経団連の経労委報告ははっきりと「工場法以前に戻せ」といっています。資本主義の勃興期のように資本の自由に労働者を搾取させろということです。そのために労働者が絶滅してもかまわないという攻撃です。現実に非正規雇用労働者は結婚もできず、子どももつくることができない状況にあります。非正規労働者のみならず、正規雇用労働者の青年労働者も過労死や自殺、精神疾患においこまれているのです。
この攻撃の起点が国鉄分割・民営化攻撃であり、これに抗して闘ってきたのが国鉄1047名の解雇撤回闘争です。1047名闘争と動労千葉の闘いがNTTのような分割民営化攻撃を阻んできました。だからこそJR資本は検修外注化攻撃をかけて、第二次分割・民営化攻撃をかけ、1047名闘争解体の「政治和解」攻撃をかけてきたのです。動労千葉の検修外注化決戦はこれまで以上の非正規化、9割非正規化攻撃阻止のたたかいであり、資本主義の究極の合理化攻撃との闘いです。派遣法撤廃、非正規職撤廃の闘いは資本主義社会の転覆と一体の闘いです。重要なことは非正規化攻撃との根本と闘うことです。それが国鉄1047名の解雇撤回闘争であり、検修外注化阻止決戦です。さらに究極の非正規化におかれている労働者を組織化して資本と闘うことが求められています。この両方の闘いを貫徹することが我々に求められています。どちらが欠けてもだめです。
「派遣労働者がたった1日『今日はみんなで一斉に休んじゃえ』と団結してストライキに立ち上がったら、全国の生産ラインが全部ストップし、日本資本主義そのものを揺るがせるということだ。
非正規雇用労働者の増大というのは、労働者に対する重大な攻撃であるけれど、しかしこの現実を逆手にとって労働者が団結して闘えば、そうとう思い切ったことができる。終身雇用制のように、企業が労働者を安定的に支配することはできない。いつクビにされるかわからない状況で働いていれば『会社あっての労働者』という会社への忠誠心なんてものは生まれない。いつだって平気で辞めていいわけだ。非正規雇用の労働者が団結したら、労働者から搾取と収奪を縦にしている派遣会社を揺るがすことはいくらでもできるということだ」(前掲『甦る労働組合』270~271頁)

 戦後労働法制の主な動き

1947年 労働基準法(1日8時間、週48時間)
1985年 男女雇用機会均等法、労働者派遣法
1987年 労働基準法改正(週40時間)
週単位変形労働時間制、専門業務裁量労働制
1992年 労働基準法改正 時短促進法(年1800時間目標)
年単位変形労働制
1995年 労働問題研究会報告(日経連)
1996年 労働者派遣法改正 対象26業務に拡大
1997年 裁量労働対象業務拡大、女性の残業規制撤廃
1998年 有期雇用契約の上限を1年から3年へ
1999年 労働者派遣法改正 対象業務を原則自由化
2001年 4月に「会社分割法」(商法-施行。会社分割が容易に。労働者は分割先への移籍を拒否できない)
2002年 ホワイトカラーエクゼンブション導入を閣議決定(時間外規制適用除外)
2003年 労働者派遣法改正 派遣期間を3年、製造業も対象化
2006年 労働安全衛生法改正(加重労働対策)、時短促進法廃止
2007年 60年に1度の「労働ビックバン」(ホワイトカラーエクゼンブションについて2007年の国会で議論されたが未成立)
2008年 労働契約法施行(就業規則で労働条件変更、解雇トラブルの金銭解決も議論)
2010年 労働者派遣法改正案閣議決定(3月)通常国会で継続審議
10月からの臨時国会で審議

Ⅳ 合同・一般労組全国協の会則の改定

(2011年10月8日「合同・一般労働組合全国協議会第2回定期大会」改定)

1、名称
「合同・一般労働組合全国協議会」と称する。
略称「合同・一般労組全国協」
東京都葛飾区新小岩2-8-8 新小岩クリスタルハイム203号室
東京東部地域合同労働組合東部ユニオン気付

2、組織構成
「合同・一般労働組合全国協議会会則」を承認する全国の合同・一般労働組合で構成する。

3、目的

①国鉄闘争全国運動を最先頭で担い、新自由主義と対決する合同・一般労組を全国に創り出す。
②それぞれの職場で反合闘争を貫き、動労千葉労働運動を実践し、青年労働者を組織する。
③ 3・11情勢の大失業攻撃と対決し反失業の闘いの先頭に立ち失業者も含む労働者を合同・一般労組全国協に組織する。

4、活動

①情報の相互交流。機関紙・ビラなどを「連絡先」・事務局に集中し、全国相互の
情報交換を行う。
②ホームページを開設し、全国の合同・一般労組とリンクできるようにする。
③国鉄闘争全国運動の3000口の基金の一翼を担う。

5、運営と事務局体制
①4人の共同代表と事務局長・事務局次長をそれぞれ1名ずつ選出し、運営にあたる。新たに会計監査を1名選出する。
②年に1回全国大会を開催し、本会則を改廃することができる。
③大会に準ずる代表者会議を必要に応じて行う。大会・代表者会議の招集は共同代表と事務局長が協議して行う。
④大会は代議員制とする。
⑤大会開催日の2カ月前の会費納入と組合員数を基準にして代議員数を以下の通りとする。
組合員数 1~20名まで1人
    21~49名まで2人
    50~99名まで3人
   100名以上    5人
6、財政

① 会費について
1~49名までは現行月1000円のままとするが、50~99名は月2000円。100名以上3000円と変更する。
②ホームページ開設運営、事務費に充てる。

7、予算・決算
毎年の全国大会で決定する。

Ⅴ 役員の体制
 現行通り留任とする
共同代表 一般合同労働組合東京西部ユニオン    吉本 伸幸
     関西合同労組              黒瀬 博匡
     広島連帯ユニオン            壹貫田康博
     一般合同労組さいたまユニオン      田畑 典保
事務局長 東京東部地域合同労働組合東部ユニオン  小泉 義秀
会計監査 一般合同労組東京西部ユニオン      大西 文夫

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合同・一般労組全国協議会